【7.バクニン→トゥーソン】ジャイアントグラビエで行く食と野鳥ベトナム自転車一人旅

当初予定していなかった思いつきのルートでジワジワとハノイに近づいてきました。このまま空港まで自転車で行くか、もしくはホテルで自転車を梱包してタクシーで向かうか、いずれにせよそろそろ帰国のことを考えなくてはいけません。今回が最終回です。

コンテンツ

11/16 バクニン→トゥーソン

バクニンを10時に出て田舎道をトゥーソンという街を目指して進みます。砂利や石を採掘しているであろう山を多く見かけました。ハロン湾もそうですが、岩が隆起したような独特な地形がこの一帯は続いています。そして前回たくさん見た運搬船がその砂利や石を運び、それがコンクリートなどになって道や橋がどんどん作られていくのでしょう。

食堂の看板をセッティングする男たち。ベトナムの食堂はこのような赤と黄色のわかりやすい看板が昔からの定番のようです。都市部ではモダンでおしゃれな看板や、看板が無く小さな文字だけの店も見かけますが、私はこの昔ながらのスタイルが好きです。なんせわかりやすくて見つけやすい。おなかが減っているときは直感的に飯屋だとわかる、それが大事だと思う。

やっと食べることができたチャオというベトナムのおかゆ。これはチャオガーといって魚のおかゆです。ぱっと見プレーンのおかゆに見えますが、中には白身魚がごろっと入っていて、魚の出汁のおかげで見た目よりもしっかり味がついています。もちろんアツアツで出てくるので汗を流しながらいただきました。もっと寒いときに食べたいメニューだ。

こちらはウナギのチャオ ( cháo lươn )。見た目通り濃い味なので、途中からクオイ(ラスクのようなものでブンに入れるもの)を入れていただきました。お値段は4万ドンと普通のチャオよりちょっと高めだった。

飲食店の壁にはたいていQRコードが貼り付けてあります。現金で支払う人は少なく、けっこう年配の人までスマホでこのQRコードをスキャンして支払いを済ませているようです。いくつかメニューがあるし、金額も人それぞれ違うだろうけど、どういう仕組みで払っているのだろうか。おそらくカードか電子マネーと紐づいているのだろうが、長期で滞在するのであればぜひ利用したいですね。

ハノイ郊外には高級住宅街エリアが点在しています。ほかの国のそれと同様に、自前の警備員がいて街路もきれいに整えられています。日本でもそうそう見かけない高級車が重厚な細工を施した門扉から出入りします。いったいどういう仕事をして富を築いたのだろうか。えげつないほどの貧富の差を感じます。癒着、汚職、利権、搾取のにおいがしてきます。

飛翔するノドジロオウギビタキ(White-throated fantail)。眉班と喉のあたりに白いラインが入っているオウギビタキ科の小鳥です。ヒタキ科ではないが尾羽の感じがシキチョウに似ています。疎林でよく見かけましたが警戒心が強くなかなか撮影できず、唯一の一枚がこれです。シキチョウも一度見かけましたが写真は撮れなかった。

トゥーソンという街の郊外では路上で木材を売っていました。板材ではなく太めの枝、それもかなり重厚な材だと思われます。槐とか紫檀とか、そういった類のものでしょう。薪にするのか何か小物を作るためのものなのか、もしくは香木だったりするのか。どの店先にも測りが置いてありました。

学生さんはおそろいのジャージの上着を着ています。どの地方でも大抵こんな感じのデザインです。制服を着ている姿はほとんど見かけませんでした。日本でもイベントの時以外はジャージ登校という学校も多いから、ベトナムもそのスタイルなのかもしれません。日本同様、最近の若い人は背が高くガタイも良いですね。みんな楽しそうなのが印象的。

ここまでくると二日目に絡まれたような不良学生はほとんど見かけません。どこの国も中途半端な不良は田舎に多いものだ。

トゥーソンの市街地の北側は木工の街になっています。主に家具を製作、販売している工房が多数軒を並べ、半分屋外で作業をしているので興味深く拝見しました。この画像のように、框組の重厚な建具を制作している工房もあります。馬乗りの二枚ホゾ、細工を施した鏡板、日本でこういった手の込んだ建具を制作できる工場はそれほど多くはないでしょう。ほとんどがフラッシュ構造の建具だもんな。京都など伝統的な建物が多く残っている地区の建具屋しか、もうこんな仕事はできないだろう。

学校帰りの少年。今日の放課後は何をして遊ぼうか、その足取りは非常に軽くウキウキしている様子が伝わってきました。不思議なんだけど、ベトナムでは不機嫌な人というものをほとんど見かけませんでした。決してフレンドリーでもないしニコニコしているわけでもないんだけど、不機嫌だったり気難しさ醸し出している人を見かけません。自分も日本にいるときは実際不機嫌になっていると思う。ここにいると、あの列島は不機嫌が蔓延しているような気がしてくる。

ベトナムではいろいろなものが道端に干されています。これはおそらく線香、もしくは花火でしょう。いずれにしてもお寺などで宗教的な目的で使われるものだと思われます。そばには小さな工房があり職人が出入りしていました。

トゥーソンの街の木工街にあるホテルにチェックインしフロントで、二泊して最終日の夜10時にチェックアウトするからそのタイミングでタクシーを呼んでくれとお願いしましたが、案の定全く伝わりません。毎日その都度、フロントで説明するしかありません。

ベトナムの人は頑なに英語をしゃべりません。おそらく日本人以上にコンプレックスがあるように見受けられます。リザベーションとかチェックインとか、そんなホテル用語すら伝わらないし、向こうも言いません。

ただお前の発音が悪いだけなんじゃないかとあなたは思うかもしれませんが、空港のカウンターでの込み入った話も通じるし、くさってもTOEIC905点だしな、と自惚れても現地で伝わらないものは何の役にも立たないのであります。

11/17~19 トゥーソン→ハノイ→帰国

ホテル近くの商店でお土産を買いました。この写真は帰国後に撮ったものです。定番のインスタントコーヒーG7、そして各種インスタント食品。合計金額は忘れましたがとても安かった。帰国後、同居人に現地の味を再現してごちそうしてあげようと思っていたのですが、2か月たっても全くリクエストがありません。興味ないのだろうか。ミーサオなんかはかなり現地の味を再現できる自信があるんだけどな。

最終日とその前日は本格的な雨になってしまったのでホテルの部屋にとどまりました。そして相変わらず壁に掛けられた大型テレビで、日本でもよく見ているYouTubeをただダラダラ見ていたのですが、いい加減普段のルーティンを復活させて帰国後にきちんと生活を再開できるようにと、筋トレとヨガをじっくり行いました。確実に太った。

以下は17日に見ることができた鳥です。

マミジロタヒバリ(Richard’s Pipit)と思われる小鳥。日本ではなかなか見る機会がない鳥でしょう。中国北部で繁殖しベトナム、インド東部などで越冬する渡り鳥です。一瞬ビンズイかなとも思いましたが、眉班が太いこと、背の色味などから判断しました。合っているかどうかはわかりません。

飛行機を見上げるアオショウビン(White-throated kingfisher)。タイでもよく見かけました。インドシナ半島、インドに分布するカワセミ科の鳥で見た目のわりに特段珍しい鳥ではありません。英名が表すように、喉が白い羽毛で覆われています。そしてくちばしが異常に発達しています。

こちらは日本でもおなじみのカワセミです。日本よりも密度が濃いのか頻繁に見かけました。台湾でもそうでしたが、日本に比べて市街地でも見ることができます。日本だとそこそこ自然度が高い場所じゃないと見られない印象だが、市街地のどぶ川にも飛んでいるから不思議だ。要するに彼らにとっては小魚が棲んでいればそれでいいんでしょう。

無性にカッコイイ肉屋の女。小さな町でも探せば必ずマーケットがあり、野菜や肉などの素材がそのまま売られています。もちろんスーパーマーケットもたくさんあるし加工食品も溢れるほどあるのだが、この国ではまだまだ食材をそのまま量り売りで購入することができます。自炊派にはたまらない環境です。ずっと住むのはちょっとアレだけど、一年くらいなら住んでみたい国です。おいしいご飯をたくさん作れそうだ。

都市部の街角にはいたるところに飲食のスタンドが並んでいます。バインミー職人は真剣かつ手際よく注文を捌いていきます。店舗に直接来て腹の隙間を埋める人、ネットで注文して取りに来る人、ユニフォーム姿のフードデリバリードライバーなどいろいろな属性の人たちが立ち寄る、悲喜こもごも、一期一会の場所でもあるのです。

トゥーソンの街で通った最後のコムビンダン。ご夫婦で営んでいて二人とも温かい人でした。私が来ると「お、また来たな、外国の人」といった感じでニコっと笑ってプレートを取り、ご飯をよそってくれます。私はおかずを選び背後にある冷蔵庫からビールを取り出し席に着く、と同時にそのプレートが運ばれてきて豪華な食事が始まります。

息子はずっとスマホを見ている。多分、勉強しなさいとか風呂にはいりなさいとか、いろいろ小言を言われているのだが、それにもめげずに背中を丸めてずっとスマホで何かを夢中で見ている。働き者の両親でも、教育は思い通りにいかないんだろうな。

早い時間、17時くらいにコムビンダンに行くと、出来たてかつ他の客に荒らされていない手つかずのおかずから選ぶことができ、贅沢です。肉、野菜、魚貝、卵料理、虫までなんでもそろっています。私がやることはニヤニヤと真剣に悩み指さすことだけです。

何かのさなぎのようなものを食べてみました。グロテスクな味を想像しましたが思っていたよりもさっぱりしていて、ちょっと期待外れです。目をつぶって食べると、シーチキンに似ているかもしれません。80億超のバカを抱える地球は今後、虫も貴重な食料になっていくとも言われているので、今のうちから慣れておいても良いかもしれません。ちなみに虫を食べたのは初めてかもしれない。いや、どこかで食べたような気がしないでもない。

さいごに、旅行中エクストリームなバイクをたくさん見かけたので、そのいくつかをココに乗せておきます。

このバイクはなかなかにインパクトがありました。おそらく出店などで売られるキャラクターのバルーンなのでしょうが、それを満載し強風の橋で停車している。今にもそのまま空に向かって飛んでいきそうです。追い抜きざまに見てみると、おばちゃんが普通にスマホで話をしていた。

帰国便は深夜というか未明の便なので、夜10時にホテルにタクシーを呼んでもらい空港に向かいましたが、ドライバーさんがおそらく空港に行くのが初めてで頻繁にスマホで確認をしています。そのうちものすごい渋滞に巻き込まれ、身動きが取れなくなりました。後部座席の私もスマホを見ながらあれこれ指示を出し、なんとか国際線のレーンに到着。大変な思いをさせてしまったのでちょっとチップを追加し、ちょうど30万ドンを支払いタクシーを降り、3回の出発フロアでカウンターが開くのを待ちました。

カフェや軽食店はあるのですが、そこは空港なのでとても高い。開いている椅子を探して外に出てみると缶ジュースの自販機があったのでそこでオレンジジュースを買い、いつのまにか開いていたチェックインの列に並びながらゴクゴク飲み干しました。価格は2万ドンと市価の2倍するけど、仕方がない。

思っていたよりもスムーズにチェックインも終わり、自転車にもフラジャイルシールを貼ってもらい、これ以上特に用は無いのでさっさと出国をしました。イミグレーションも保安検査も特段問題なく、少し並んで待っただけで通過し、ゲートのあるフロアに出ました。

合計で5万円分を両替したベトナムドンが少し余っていたので、何かおみやげ物を買うことにしましたが、どこもUSDの表示です。店員さんにドンは使えるかと聞くと、全部でいくら持っているか確認し、それがUSDでいくら分になるか計算をしてくれました。おそらくどこのお店でもドンを使えると思います。カフェや飲食店もあるので、今後来る予定のない人は使い切ってしまいましょう。

ちょっと高級なチョコレートを二つ買いぴったり15ドル。それでも残ってしまった分はトイレ掃除をしていた女性にチップとして渡し、これできっちりベトナムドンは使い切りました。

上海の浦東国際空港に駐機する新千歳行きのA320。帰国の数日前に例の高市発言があり、日本への渡航は控えるようにと通達があった直後でした。今この記事を書いている段階では、中国東方航空の便数もかなり減っているみたいで、格安航空券の選択肢が一つ減ってしまうのは惜しいところ。

ハノイ→上海間の機内食。キッシュ、ソーセージと野菜をボイルしたもの、あとはフルーツとデザートというシンプルなものです。重たくなくさっぱりしていておいしくいただきました。

中国東方航空の機内ですが、最近LCCしか乗っていなかったせいもあってか広く感じました。いや実際広めなんだと思います。ハノイ便は若干騒がしくマナーを知らない人も散見されましたが、思っていたよりも機内は落ち着いた雰囲気で全然悪くなかったです。日中関係が改善すれば、また中国経由でどこかに行きたい。本当は中国本土も旅してみたいけど、それはしばらく実現しないだろうなと思います。

こちらは上海→新千歳間の機内食。すき焼き定食とポテトサラダ、デザートにお団子という内容でした。普通に美味しかったです。往復で4回飛行機に乗り、それで6万弱で機内食まで出るんだから、それだけで文句は一切ありません。本当にお得な航空券だった。

さて、この15日間のベトナム自転車旅行にかかった費用は、航空券が58040円、現地で両替した分が50000円、ホテル3泊をカード支払いした分が6392円、合計で114,432円となりました。ホテルの質も全般に良く食事もおいしく、鳥もたくさん見ることができたのでお得な旅行だったと言えます。

他にかかった費用として、海外旅行保険が7440円、今回新調したホイールバッグが5200円。

自転車旅行の方法がぼちぼち固まってきたので、今後も特に何も買い足す必要は無さそう。強いて言えば、タイヤが裂けそう(ケンダの旅行用なのだが…)なのと、フロントバッグの寿命がそろそろ来そうなので、折を見て新調しようと思います。

次回も安い航空券を見つけたら出かけるというスタンスでたまに航空券サイトを覗いてみようと思っています。希望はエジプトかインドです。そして気軽に行くことができる台湾も候補です。あそこにはまだまだ見たい鳥が残っています。

コンテンツ