【4.ニンビン→クックフォン】ジャイアントグラビエで行く食と野鳥ベトナム自転車一人旅

雨のためイェンバイで足止めをくらい、バスに乗ろうとして失敗し、結局同じ町に3日留まることになりました。その間、見たことのない鳥を見ることが出来たり、初めてビアホイでビールを飲んだりと、なんだかんだ充実した旅先での時間を過ごすことができました。

今日こそはバスに乗ってイェンバイから脱出し、ハノイを通り過ぎニンビンまで向かいたいところ。

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11/10 イェンバイ→ニンビン間バス輪行

ベトナムの古い住宅群

昨日バスに乗ることができず自転車を梱包したままで宿に戻ってきたので、今日はこのまま昼過ぎにタクシーを呼んでバス停まで行くことにしました。それまでは昨日とやることは同じで、すっかり常連になったカフェのお姉さんにカフェデンを注文し(顔を覚えてもらって挨拶してくれた)、猫の冷たい視線に晒されながら読書をし、気が向いたら近所をブラブラして鳥を探すというルーティンです。

もし、物価も宿泊代も高くて日程も限られていたら、こんな悠長なことはしていられない。安けりゃいいということでもないが、やはり滞在費が安いに越したことは無い。ベトナムはいいところだ。

ベトナムには大型の野犬がいてちょっと怖い

今日は違う犬が道をふさいでいます。はちきれんばかりに筋肉隆々で強そうです。お互いに遠めからイケるのかイケないのかを探りましたが、どうやらイケないみたいなので仕方なく遠回りをすることに。

ブンモックというつみれが入った北部の米麺

朝はブンモックを食べました。これはつみれが入っているタイプで味付けは他のブンと全く同じだった。もうすっかりおなじみのブンですが、さっぱりしているので飽きません。さすが北部の主食です。

ベトナムの食堂は朝から活気に満ちている

ベトナムの人は週何回ぐらい外でブンやフォーを食べるんだろうか。家では何を食べているんだろうか。日本人も最近は多様化しており、毎日ご飯とみそ汁を欠かさない人もいれば、普段はパンとパスタで白米はほとんど食べないという人もいるから、おそらくベトナムも相当多様なんだろうと想像します。

バイクで並走する若者と、編み笠で自転車をこぐおばちゃん

若い男の子は彼女をスクーターの後ろに乗せて街を駆けていきます。後ろの女の子はスマホを見ている場合が多く、画像のようにWデート方式だと後ろは後ろでしゃべりながらも多い。日本だったらまず見ない通報レベルの光景なんですが、ここでは並走や”ながら運転”は日常のことです。彼らが日本に来たらいろいろ驚くだろうな。そしてさぞかし窮屈に感じるだろう。

そして手前のチャリのおばちゃんは違和感なく逆走しています。バイク、チャリの逆走もよく見る光景でぼーっとチャリをこいでいると正面衝突しそうになるので気が抜けない。

ベトナムで見たフラワーペッカーという小鳥

昨日鳥が豊作だった藪の様子を窺うと今日も多くの小鳥が出入りしているようなのでしばらく粘っているとこんな鳥を見つけることができました。残念ながら画像が不鮮明なんですが、スカーレットバックドフラワーペッカーという鳥らしい。頭頂から背、尾にかけてモヒカン状に赤いラインが入っているハナドリ科の美しい小鳥です。

木の実を咥えるフラワーペッカーのメス

こちらはメス。あごが外れそうなほど大きく口を開けて何か実を咥えています。タイでキバラタイヨウチョウという鳥を見ましたが、それに近い種のようです。いずれにしても生まれて初めて見ることができた鳥。

イェンバイ中心部の池で釣りをする人たち

イェンバイの中心部には政府機関の建物がありその周辺は公園になっていて池もあります。そこでは釣り人がパラソルを広げ、ヘラ師っぽいおじさん方がタバコをくゆらせながら水面を見つめています。釣れているところを見ていないので何とも言えませんが、多分フナかコイなんでしょう。郊外に行くと沼で雷魚を狙っている人もポツラポツラ見かけました。餌釣り、ルアー両方です。

ベトナムの結婚式は路上で行われる

こちらは結婚式のテントで、旅行中何度か目にしました。アオザイを着たご婦人(残念ながらおねいさんではない)方が記念撮影をしていたり、バンドの生演奏を聴きながら酒を飲んでいる様子をチラ見しました。ご覧のように歩道をふさぐ形でテントを張るのでちょっと邪魔なんですが、手作り感があってこういう結婚式も良いかもしれない。

こんな感じで街をぶらつき、昨日同様昼過ぎまで時間をつぶしてホテルをチェックアウトし、フロントでタクシーを呼んでもらいバス停へ向かいます。今度はしっかりしたメータータクシーでビンファストの電気自動車でした。

料金は18万ドン、お釣りをチップにして計20万ドンで昨日の白タクと変わらなかった。白タクのおっちゃんはまったくぼっていなかったみたいだ。変なところで人は見かけによらないと学んだ。

イェンバイのバス停でニンビン行きのバスを待つ

今度こそ間違いないバス停のはず。バス会社の看板が出ている小屋のようなところに入ると、たむろしている男たちがいます。タクシー運転手やら近所のゴロツキのような感じでガラの悪い連中です。

バス停の犬は人間が大好きだ

念のため「Futaのニンビン行きバスはここに来ますか?」とグーグル翻訳で聞くと、大丈夫だという。犬を撫でながらしばらく待っていると、その中の男の一人が「バスが来た!」と言い、私の荷物の一つをもって走り出しました。

さすがに焦ってほかの二つの荷物を持って私も後を追います。その男は私の荷物をすでにバス下部の貨物室に放り込んでいて、私が手に持っている荷物も手に掴み「早く乗れ!」と促します。

どう見てもFutaという会社のバスではなさそうだが私も突然荷物を持って走られ、そして急かされて気が動転し、さらに後続の車からクラクションを鳴らされ、言われるがままに乗り込んでしまいました。

ベトナム独特の寝台バス

案の定、予約したFutaのバスではありません。そして、ワングレード低い三列の寝台バスです。車掌に「だまされて乗せられた」「料金はFutaに請求してくれ」とちょっとごねてみましたが、もちろんそんなことは通用せず、バス代の25万ドン(約1470円)を別途支払いました。

幸いそのバスはハノイを経由しニンビンに向かい、結果的には予定通り当日中に目的地に着くことができたのですが、二日続けて乗らないバスに金を支払ってしまったことになります。

あの待合所にいた男は、私をだましたのだろうか。バスの車掌曰く、彼はブローカーだから私を乗せたことにより手数料を手にしているかもしれないとのこと。確かに今思えば、バスが来る直前に彼の携帯が鳴ったんですよね。

でも、私がバスを予約していたことは知らなかったはずだし、最終的に私はニンビン行きのバスに乗ることができたので、彼は善意から私を乗せてくれたのかもしれない。そう信じることにしました。

荷物が少なくもっと身軽だったらこんなことは回避できるんだけど、さすがに荷物の一つを持ち去られると焦ってしまう。たいていこういうタイミングでスリや置き引きに遭うんだろうな。

さて、バスは過渋滞のハノイのミーディンバスターミナルを経由し、予定より早く20時にニンビン中心部へ到着。その近くに急遽アゴダで宿をとっておいたのでそこまで自転車を担いで歩いて移動しました。

ニンビンの高級ホテルは快適だった

50万ドン(2940円)と過去最高額の高級ホテルに宿泊しました。普段はもう少し高いらしいのですが、セールになっていたのでカツカツの私にも宿泊できた。かなりサービスは良く、フロントの人は居眠りもスマホ閲覧もしておらず、サービススマイルで「グッイブニン、サー」と出迎えてくれます。まぁ、これが普通なんだけども。

部屋も文句なしで、日本のちょっといいホテルと同等です。しばらく滞在してもいいかなと思ってしまうほど。でも50万ドンという数字が高価に感じてしまうベトナム体質になってしまったし、セールじゃないと70万ドンくらいしてしまうので、明日の朝漕ぎ出すことに決め自転車の仮組だけはしてしまいました。

ニンビンの夜は賑やかだ

シャワーを浴び洗濯をしてすっかり落ち着いたのでいつものように街をブラブラします。ニンビンの夜の街は非常に活気があり、焼き肉屋、鍋屋なんかの露店で大いににぎわっています。そして今まで見なかった海産物などの食材も豊富なようです。

ニンビンの場末の食堂で食べたチャーハンは絶品だった

でも一人では入りづらいお店が多いので、結局場末の食堂でいつものように飯を喰います。このチャーハンは山盛りでしかも激旨だった。店主に「日本人か?」と聞かれそうだと答えるとちょっとサービスをしてくれました。

気前の良いニンビンの食堂のおじさんはオマケをしてくれた

たいていどこの国でも外国の人を見ると「Where are you from?」と尋ねるものだが、なぜかベトナムでは「日本人か?」(もちろんベトナム語で)と聞かれます。私が典型的な日本人の要素を持っているのだろうか、そういう自覚はありませんが、日本人と思わせる何かを持っているのでしょう。

私は髪型と服装なのかなと思っています。ベトナムの人は中国の人のように短く刈り上げていてピッチリした服装を好みます。一方私は髪は長めですしゆったりした服装をしているので、しいて言えばそこが識別点なのかなと勘ぐりました。

11/11 ニンビン→クックフォン

ニンビンのホテルの前で、自転車と私

夜中に雨が降ったらしく道路には水たまりができていましたが、天気予報によると終日曇りで経過するとのことなので、次の目的地であるクックフォン国立公園エリアへ移動することに決めました。ニンビンは観光地であり街も賑わいがあって数日滞在してみたくなりますが、雨が降らない日は移動しておいたほうがいいだろう。

ホテルの朝食ビュッフェでたらふく食べた

このホテル、無料の朝食ビュッフェが含まれているので朝からたらふく食べてしまった。よくある欧米風の朝食ビュッフェでオムレツもオーダーで作ってくれます。カウンターで注文をすればフォーも作ってもらえるようで、ベトナムの人たちは朝からフォーを食べています。やっぱり国民食なんだなとこれを見て感じたのです。ほかにたくさんの選択肢があるのにわざわざフォーを選ぶんだな。

私も日本のホテルのビュッフェで食事なんぞをするときは、ほかに選択肢があるにもかかわらず、必ずカレーライスを大盛で食べてしまうから、これと同じ原理なんでしょう。

Trang An の景観と私のグラビエ

ニンビンの下町を抜けしばらく走ると、ベトナムらしい風景が目に飛び込んできます。ガイドブックで見たハロン湾と似たような、岩が隆起した地形が延々と景色の奥のほうまで続いています。

Trang An は隆起した岩の景色が続く

私は知りませんでしたがどうやら有名な景勝地らしく、レンタル自転車でサイクリングをする欧米人バックパッカーの姿をたくさん見かけました。おそらく、ホテルやドミトリーで自転車を借りられるのでしょう。自転車を借りてボート乗り場まで行き、そこからリバークルーズを楽しむという算段です。

リバークルーズを楽しむ団体旅行の人たち

欧米人、もしくは白人という人たちはこういうアクティビティが好きな印象です。アジア系の旅行者はわかりやすく「ラグジュアリ」なものを好む傾向があります。小金を手にするとビジネスクラスに乗り5つ星ホテルに泊まり、プールサイドでトロピカルジュースをすすり、下品なウェアに身を包みゴルフをする。

欧米人にももちろんそういった表面的なラグジュアリを求める人もいるでしょうが、彼らは絶対金持ちなはずなのに庶民的な宿やドミトリーに宿泊をし、サイクリングやトレッキングに出かけ服を土埃で汚し、ガイドや地元の人との交流を楽しむ。

ニンビン郊外の街は活気がある

この辺がやはり旅行文化が継承されている証なんでしょう。古よりヨーロッパの作家、芸術家の多くが放浪の旅をしていたという事実が、現在まで彼らの旅行観に影響を与えているのだろう。一転して、やはりアジア人は旅行というものをちょっと間違えて解釈している印象です。

いっぽう私はというと、もし金持ちになっても今と旅行のスタイルは変わらないと思います。疲れたときに気軽にタクシーに乗ったり、ビジネスクラスに空席があった場合に当日アップグレードなんかはするかもしれませんが、自転車でフラフラすることはさして変わらないはず。

灌木林のオウチュウは逃げ足が速い

上の画像は東南アジアでおなじみのオウチュウです。台湾でもタイでも観察できましたが、オウチュウもいくつかの種に分かれています。こいつは普通のただのオウチュウと思われます。ラオカイやイェンバイでは見かけなかったので、平地のこういった灌木林を好む鳥なのでしょう。意外と警戒心が強い鳥で近づくことは難しいです。そしてカラス同様、真っ黒なので撮影がとても難しい。

ベトナムで見たノビタキ♂の冬羽

ノビタキだと思われる鳥。普段北海道で見ることができるものはもちろん繁殖羽であり、ノビタキのイメージが全然思い浮かばずに全く違う種かと思いあれやこれやと調べましたが、結局ノビタキ♂の冬羽にいきつきました。頻繁に見かけた鳥でスズメと同じくらいどこにでもいました。

ベトナムの牛飼いと水牛たち

湿地帯では牛飼いの姿も多く見かけました。ベトナムの大都市圏は確かに高層ビルが林立し近代的な様相を呈していますが、ほんの1時間郊外へ向けて走ると長閑な田園風景が広がります。高級ホテルやスパ、テーマパークなんかよりむしろこちらのほうが観光資源だと思う。いつまでも残ってほしい景色です。そうもいかないんだろうな、とも思う。

さて、景勝地を抜け、田園地帯を走り、小高い丘を登るとクックフォン国立公園エリアに入ります。あらかじめ予約していた宿を探して何度か間違えつつもやっと見つけてチェックインしました。

クックフォンのバンガロー

この宿、国立公園の近くにありバンガロースタイルでガーデンビューとのこと、各サイトの評価も高めだったので選んだのですが、この旅初めて失敗しました。こうやって画像で見ると確かにバエるんですがね、実態は…

これまでの宿も、当然日本のホテルに比べると誂えが雑だったりサービスがさっぱりだったりしましたが、悪い印象は持ちませんでした。しかしこの宿はあまりにも建築が適当で一歩歩くと建物自体が揺れ、壁も床も隙間だらけ。虫刺されが怖くてゆっくり寛ぐことができない。期待していたガーデンビューもほっそい木が数本生えているだけで周囲はゴミが散らかる荒地です。

そして料理も高くて不味い。これまで食事をした食堂はたしかに清潔とは言えませんでしたが、そこには活気と生活感があってそんな些細なことは気にならないナニカがあったのですが、この宿の食事はただひたすらに不味く生気が無いただの食料でした。

ホテルのオーナーはベトナム人に珍しく英語が堪能でたしかにサイトのレビューが言うように調子がよく愛想はいいのですが、求めているものはそれじゃないんだよな、と思ってしまう。万国共通、初対面でよくしゃべる奴はたいていろくなもんじゃない。

と愚痴っていても仕方ないので、まだ日が落ちるまで時間もあるし国立公園まで行ってみることにします。思っていたよりも宿から距離があり、しかもずっと登りで40分くらいかかった。途中で欧米人バーダーが現地ガイドと思しき人と野鳥の撮影をしていたが、なんとさえずりの音声を鳴らして鳥を呼び寄せていた。やってはいけない行為のはずだが…資格を持っていないモグリのガイドなのだろうか。

クックフォン国立公園のエントリーゲート

国立公園のネイチャーセンターのおばちゃんは英語が堪能でいろいろ聞くことができました。公園内は古木や水辺、洞窟があったりと魅力的で、かつ自転車でそのまま入ることができるのだが、なかなか道のりは険しそう。そして私のカメラはしょせん300mmの望遠レンズなので、野鳥を見つけてもフレームに納めることは難しいだろう。まして人里離れた山の中でおいしい食堂なんてないしな、となんだか徐々にめんどくさくなってきたのでした。入らない理由を探し始めるともうだめだ。

クックフォン国立公園の案内板

いずれにせよ今日はもうすこしで日が暮れるので、明日また来ると言い来た道を戻りました。途中の商店でマンゴー、ビール、菓子パンなどを買い込み宿へ戻り、それらで簡単な夕食を済ませて早々に丸くなって眠りました。虫が入ってこないことを祈りつつ。

明日の朝、この宿を出て国立公園に行くか、もしくは他へ向かうか決めることにします。天気次第、気分次第、とにかくこの宿から早く去りたい、そう思っているうちに眠たくなってきました。

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