エントリークラスのクロスバイクにはたいていペダルが付いてきます。私が愛用しているGIANTのグラビエにも最初からペダルが付いていました。その純正ペダルのメンテナンスについてです。
今後ホイールハブのグリスアップにも挑戦しようと思っているのでその練習としてまずはペダルを分解メンテしてみることにしました。必要な工具も最低限ですし作業も簡単なのでメンテナンスの初歩としてお勧めです。
準備と工具

ペダルの取り外しと分解に必要な工具はお使いのペダルによって違うと思いますが、一般的なクロスバイクの場合、以下の工具とアイテムが必要になります。
- ペダルレンチ(またはモンキーレンチ)
- ボックスレンチ
- ドライバー
- ラジオペンチ
- パーツクリーナー
- グリス
工具に関しては手元になかった12mmのボックスレンチのみ購入しました。ほかは自宅にあった工具で間に合いました。自転車メンテでよく使うサイズをそろえたY型レンチも販売されているようなのでそちらのほうがよかったかもしれません。
グリスは自転車専用のものを購入しました。以下の商品です。固めで塗りやすくてよかったのですが耐久性についてはまだわからないので評価は現状できません。次回分解したときにどれくらい残っているかでレビューしたいと思います。
ペダルを取り外し分解をする

ペダルを取り外すにはしっかりとしたレンチが必要です。できればモンキーレンチではなく専用の柄の長いものを使いたいところ。
私のグラビエのペダルは固着してしまっていてかなり力をかけてもビクともしませんでした。手持ちの工具では全く動かずナメてしまいそうだったので、近所の自転車店で大型の専用レンチで外してもらいました。
一度外すとその後は比較的簡単に脱着できるようになります。

さてペダルを外すことが出来たら分解をしていきます。このペダルの場合、プラスドライバーで外周のアルミの部分を取り外し先端のキャップを取ると12mmのナットが表れます。

このナットを回すと分解できそうですが奥まっているので通常のレンチの類は使うことができません。ということでボックスレンチの出番です。

いざ回してみるとこちらも非常に硬い。結局屋外で足の裏で押さえたりレンチをハンマーで叩いたり(あまりお勧めできる方法ではないが)して何とか緩めることができました。ネジの方向は通常通りで反時計回りへ回すと緩みました。この辺はお使いのペダルによって違うかもしれませんが、おおむねこのような正ネジなんでしょう。逆側も正ネジでした。

ナットの下にはワッシャーがあり、その奥にはもう一つナット状のものがあります。これはボールベアリングを押さえるものです。内側が狭いのでボックスレンチを入れることができず、ラジオペンチでつまんで回しました。こちらはユルユルなので簡単に回すことができます。

最後のナットを外すといよいよボールが露出します。もう軸を抜くことができるので抜いてしまいましょう。反対側にも同様にボールが入っているので、軸を抜くときにボールを紛失しないように何かトレーの上で行うとよいと思います。

分解が完了しました。私の自転車は基本屋内で保管しているので錆はそこまでひどくありませんでしたが、グリスの劣化は相当進んでいるようで、このタイミングでやっておいてよかったと思います。グリスが足りなくなりボールが削れてしまうと購入しなければいけなくなるので。

数えてみると13個のボールがはまっていました。両サイドで26個ということです。ほかの方のブログなどを見ているともっと複雑な構造のものが多いので、このペダルは非常に簡単なつくりと言えます。まぁ、安いからなんでしょうが。
これだと分解したは良いけど組み立てられないということもないので私のような初心者にも安心です。ですが念のため分解の際には工程ごとにスマホで写真を撮影しておくとよいでしょう。
洗浄とグリス塗布

各パーツにパーツクリーナを吹きかけて洗浄します。そしてウエスでふき取り古いグリスを完全に落としましょう。パーツクリーナーで油分がすべて落ちてしまうので、ボール以外のパーツはKURE556をしみこませたウエスで念のためひと拭きしておきました。

グリスを塗っていきます。指で塗る人もいるみたいですが私は綿棒を使いました。固めのグリスを使ったので綿棒でうまく置いていくことができます。思っていた以上に簡単なので誰でもできるでしょう。

グリスへ押し込むようにボールを入れていきます。この作業も綿棒にボールをくっつけることができるので簡単です。

ボールの上にもたっぷりグリスを置いていきます。グリスは多めにしたほうが良いと思います。少なくてボールが削れてしまうよりは、多すぎてはみ出すほうがマシです。

私のように初めてグリスアップをする人は固めのグリスを選んだほうがよさそうです。ボールを付けた状態で逆さにしても全く落ちてこないので作業がとても楽でした。
そんな感じで両サイドのボールを入れ終えたら、逆の手順で組み立てていきます。

ボール押さえは締め付け過ぎに注意しましょう。軸のガタつきがギリギリ無くなる程度にしておきます。そこにワッシャーを落としナットを入れて締め付けます。こちらのナットはしっかり最後まできつく締め付けます。
組み立てて取り付けて完成

組み立て後スムーズに回転するか確かめましょう。
回してみて引っ掛かりを感じるようであれば、一度外してボール押さえを少し緩めてください。軸がガタつかず、かつスムーズに回転するポイントがあるはずなので、何度か締め付けと分解を繰り返してベストポジションを探って見つけましょう。
純正のペダルは低品質のものでしょうが、このように分解とメンテナンスが可能なので壊れるまで使いたいという気持ちになりました。
おそらく屋外保管で毎日使う方の場合は年に一回は分解清掃グリスアップをしたほうが長く使えるかもしれません。もしくはメンテナンスフリーのものでもいかがでしょうか。
次回はグラビエ純正ホイールのハブグリスアップをしてみる予定です。