ボール盤を入れ替えたのでそのレビューです。YouTubeを含めて多くのレビューがネット上にある商品なのでそれらを参考に購入しました。自分で使ってみて気が付いたことを交えながら自分なりにこのボール盤を再評価してみたいと思います。
ご購入をお考えの方の参考になれば幸いです。
気になる軸ブレと精度
ボール盤を購入するうえで最も気になることは、やはり軸の振れです。
軸振れを計測できる機器を持っていないのであくまでも感覚の域を出ませんが、軸そのものの振れはほとんどないと思われます、そしてチャック本体の振れもほとんどありません。
問題はチャックに噛ませたドリルの振れです。これはチャックの品質によるものでしょう。チャックを良いものに交換すればこの振れは抑えることができるはずです。しかし品質の良いチャックはそこそこの値段がします。本体代金2万円のものなので、数千円を追加で払いチャックを交換するかどうかは微妙なところ。
でも解決策があります。繰り返し付けたり外したりをしているうちに、チャックが中心でドリルを掴むことがあります。要するに運頼みなんですが、あくまでDIYで使用する分には毎回この時間さえ確保できれば振れの問題は気にならないでしょう。仕事で使うときにはこんなことしている時間はないでしょうが。
ということで、軸の精度に関してはDIY用途であれば問題はないと私は思います。ひたすら振れが無くなるまで付けたり外したりを繰り返してください。数回でベストポジションが見つかるはずです。
どうしても気になる!という人は、チャックを購入し付け替えるしかないでしょう。先ほども書きましたが、規格がマイナーということもあって合うものは若干高価になってしまいそうですが…
テーブルについて
ラックアンドピニオン式ではなく、ただ単に鉄パイプに締め付ける固定方法なので慣れるまで若干その操作に手間取ると思います。
肝心のテーブルの精度ですが、幅方向の直角はいつでも調整が可能です。奥行き方向の直角に関しては調整ができないのですが、こちらは直角が出ている(ほぼ)ので問題ないでしょう。
テーブルを上げ下げすることにより毎回微妙に直角は狂っていると思われますが(左右に動くので)、木工の穴あけに関しては木目の影響で少なからずズレるのが普通なので、それを考えるとテーブルの直角という項目に関しては許容範囲と言えると私は考えます。
当たり前ですが、開ける穴が深ければ深いほどズレは大きくなっていきます。なので、両サイドから開けたり、2~3ミリ程度のドリルで下穴を開けるなりの工夫で乗り切りましょう。
どうしても木材に精度の高い直角の穴あけをしたい場合は、ドリルでは不可能です。エンドミルやルータービットを装着した機械が必要になります。ドリルは構造上、どうしても少しは逃げてしまうものです。
振動と騒音
モーターの回転音はこの手の機械としてはまあまあ静かと言えます。モーターは大きくなればなるほど静かになるものですが、この機械のモーターは価格に見合わないほど大きなものが装着されています。
「集合住宅の一室で使用してもギリギリ大丈夫」と考えてOKです。一日中使っていたらさすがにまずいでしょうが、数分の作業を繰り返す程度であれば全く問題なさそうです。
他に、プーリーのカバーが鳴るので何らかの工夫が必要です。見た目を気にしなければマスキングテープなどで固定するだけで解消します。頻繁にフタを開閉し回転数を替えるという方は隙間にクッション材を貼り付けるとよいでしょう。いずれにしてもカバーの騒音は簡単に解決が可能です。
穴あけ作業音ですが、最も回転数を落とした状態で堅木(ナラ)に18ミリの穴を空けてもキュルキュル音は出ません(上の動画)。サクサク削れていくので加工で発生する騒音はごくわずかと言えます。
振動は若干発生します。作業台に乗せた状態で起動すると足の裏に少し振動を感じます。気になる方は何かベースを作り吸振マットみたいなものを貼り付けて対策をするとよいでしょう。100均でシリコン製のものなどが販売されています。
重さ、大きさ、テーブル高さ

専用の作業場をお持ちの方であればこの大きさと重さはたいして気にならないと思います。一人で持てる重さと大きさなので、組み立てと設置に苦労することはないでしょう。これ以上大きく重たいとちょっと厳しそう。
集合住宅の一室など限られた場所で使う場合は奥行きが気になると思います。ですが木工用のきちんとしたボール盤としては最低限必要な大きさだと思うので、車輪を付けたベースに乗せて移動させる、使用するときに向きを変更するなど工夫をして設置してください。
これよりも小さく軽いボール盤でまともなものは現状市販されていません。このボール盤は木工機械としてよくできているので入手して後悔はしないと思います。重さと大きさは安定感に直結します。
バイスに変わるもの

付属のバイスはもっぱら評価が悪いですね。アマゾンなど通販サイトの評価を見ていると純正のバイスを良く言っている人は皆無です。
バイスを乗せるとテーブルが二つになるということになるので、せっかくテーブルを直角に合わせてもバイスを乗せた状態だと若干変化があるでしょう。それを考えると付属のバイスは極力使わないほうが良いと思います。
私は木工用途であり、奥側に定規があれば事足りるので取り急ぎ角材に穴を開けて手元にあったボルトと蝶ナットでテーブルに固定しました。テーブルにはバイス用の長穴が開けられているので、それをうまく利用するとよいでしょう。
この方法だと、クランプとして使うこともできるし、貫通穴を開ける際には一枚薄板をはさんで使用できるので何かとフレキシブルに対応できます。何かいいアイデアが浮かんだらしっかりした固定ジグを作る予定です。
総評:圧倒的なコスパの良さ
もっとも気になるであろう回転軸の振れは上述の通り、繰り返し付け替えを行えばそこまでひどくない状態にすることができます。そのほかは価格を考えると素晴らしい出来と言えるでしょう。
買って後悔することはないと思いますが、中古でもそこそこの値段が付くものなので、最悪気に入らなければ売ってもいいと思います。錆が無い状態であれば半値ほどで買い手が見つかるはずです。その意味でも外箱と緩衝材の発泡スチロールはそのままで保管しておくとよいでしょう。
あと本体にはメーカーからの一年保証がついているので、忘れずに領収書をコピーし保証書と一緒に保管しておきましょう。通常使用の範囲内でモーターが動かなくなったときは保証が有効になるはずです。
価格を考えるとものすごく性能が良いのがこの製品です。本体が大きく重たい分、剛性が高く余裕のある大きなモーターを搭載しているので、負荷のかかる穴あけでも安心して使用できます。