【図解DIY】天板の反り止めはこの3つがおすすめ【加工も簡単】

木製の天板、特に無垢材で作った天板は年月の経過とともに反ることがあります。

本格的な木工の技術がなくてもご家庭で簡単にできちゃう反り止めの方法をいくつかご紹介いたします。

コンテンツ

木製天板の反り止めの基本

まずはじめに、桟木を使った反り止めの基本について、おさらいです。

天板は幅方向に縮み、木表側に反る

板の動き方の基本がこれで、それを抑えるために桟木取り付ける必要があるのです。

でもこれはあくまでセオリーであり、テーブルの天板と、覆われた箱ものの天板とでは違う動きをします。当然、板目と柾目でも動き方は全然違ってきますし、その木が育った環境でも反る力と方向は大きく変化します。

上のイラストの板はすごく反るタイプの板と言えます。なぜなら板目の一枚板で、年輪の幅が広いからです。

桟木は天板に直交させて配置

桟木は反りや伸縮に対応するために置くものなので、天板の木目と直行する方向に配置する必要があります。木目と平行においても全く意味はありません。

そして、桟木と天板はともに平面が出ている状態でなけりゃいけません。もし桟木自体が曲がっていたら、それに合わせて天板も曲がってしまいますから。

広くて厚い天板は大変

乾燥の具合、樹種の違いはありますが、広くて厚い天板は応力(反る力)が比例して強くなります。

使う天板に応じて、桟木の寸法と用いる方法を変えなければいけません。

ちなみに、木の応力は思っている以上に強いです。ネジなんか簡単に折ってしまいます。それもまた木の魅力であると私は思います。

特に冬の北海道の室内など過乾燥の状況だとものすごく動いてびっくりします。バキバキ音がするくらいです。

アングル金物を使用する方法

桟木を天板に固定する際にL字型の金物を使用する方法です。桟木には硬くて曲がりにくい木材か、何か棒状の金物を使います。

方法はとても簡単なのですが、一つだけ気を付けなければいけないことがあります。それは動きを妨げないような金物を使う必要があるということです(上のイラストを参考に)

板は幅方向に縮むのでその時に動けるようにしてあげるわけです。

金物は一つ100円くらいなのでコスパもよく確実な方法です。

金物をしっかり固定させる方法とネジついては以下の記事も参考にしてください。

駒止めを使用する方法

桟木に駒(木駒)を取り付ける方法で駒止めと呼ばれています。この方法でも木が動けるスペースを取ってあるのがイラストでわかると思います。

桟木に溝を掘る加工、駒を作る必要もあるので、L字金物を使った方法よりも手が込んでいます。駒を本体とは違う木材で作ったりすると見栄えもよいです。

駒には大きな力がかかるので硬い木で作る必要があります。そしてここでは詳しく触れませんが、駒を作る際の木目の方向なんかにも注意が必要です。

この駒止めという方法は、キャビネットの天板を固定する際にも使われます。いろいろ応用される方法です。

下穴を広く掘りネジの動きを妨げない方法

一見普通に桟木を木ネジで固定しているように見えます。でも右の断面図のように、ネジの穴を広く開けて動けるようにしています。

ネジは天板へしっかり食い込んでいるので、強度に問題はありません。

ボール盤を使った加工だと、そのままひっくり返して深さを変えるだけなので加工も簡単ですし、見た目もすっきりしているのでおすすめの方法です。

私もこの方法を採用することが多いです。

同じネジの動きを妨げない方法として、以下のイラストのような手もあります。

加工がとても簡単なので量産家具に多く見られます。丸のこ盤で溝を掘り通すだけですからね。考えた人はすごいなぁと感心します。

(上級者向け)蟻の吸いつき桟

みんなの憧れ、蟻の吸い付き桟です。

木工をやっている人なら一度は挑戦したい、見た目もよく木の性質を利用した合理的な組手です。まさに機能美といったところでしょう。

ですが、加工の難易度も高いですし、木材の使い方も難しく中途半端にこの方法を使うと故障の原因になります。木のことを知り尽くしている人が使う方法なんですが、挑戦してみるといろいろと気がつくことがあると思います。

ちなみに私も未熟なので丸一日かかります。ルーターを使っても、微調整だなんだで時間があっという間に過ぎてしまいます。

でも何度か練習をした後で、ぜひ一度挑戦してみてください。スキルアップにつながること間違いなしです。

まとめ:木の動きを常に考える

さて、ここまで天板の反り止めの方法をいくつかご紹介しました。木工家向きではなく、DIYで簡単にできる方法を最初に3つ挙げました。

確実で失敗しない方法は、L字の金物を使う方法です。見た目の問題はありますが、テーブルの裏なんて普段は見ないところなので大丈夫です。ぜひこの記事を参考に、DIYでテーブル制作などをしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。他の反り止めについてはまた別の記事で書いてみたいと思います。

コンテンツ