札幌からは車で1時間程と比較的アクセスの良い幌向川と幾春別川ですが、あまり良い噂を耳にしません。今回はその2河川の支流を中心に一日釣り歩きました。残念ながらほぼ予想通りの結果に…
幾春別川と幌向川の支流を釣る
アクセス
今回の釣りは三笠市と岩見沢市が中心です。ダム下の幾春別川本流は、年間を通して放流によって濁流になっていることが多く、釣りには不向きです。秋に放流がやむと大型のニジマスが釣れるなんて話も聞いたことはありますが、どうなのでしょうか。
幌向川は完全に見掛け倒しの川という印象が強く、その渓相からウグイが出るのか…と思わせる事例は枚挙にいとまがありません。
2河川へのアクセスは高速道路で岩見沢もしくは三笠インターで降りるか、一般道であれば12号線をそのまま北上しましょう。札幌市内からは信号が多いので高速に乗るとだいぶ時短になります。江別を抜けるまでは信号にイライラさせられるかもです。
幾春別川支流某川
この川、あまり人が入っていないようなので名前は伏せます。ですが川に降りるやぶには踏み跡もありましたし付近も整備されているので、全く秘境といった感じではありません。
林道ゲートのカギは開いていましたが閉じ込められるのが怖かったので、車をゲート前に置き一時間ほど歩いて川が近くなっている地点から降りました。
別の日、同じ川で動画を撮影しました。ご覧ください。↓
最初の深みで早速トップの毛ばりに28センチのニジマスがかかります。その後もポイントポイントで確実に食いついてくる感じで、おそらく一週間ほどは人が入っていなかったのではないでしょうか。待ってましたと言わんばかりのがっつきぶりです。
この川のニジマスは全体的に褐色で肉付きが良く野性味あふれる魚体で、とても美しいです。そしてよく走る!
途中のコンクリート護岸がつくる深みでこの日一番の大物をかけましたが、なんとラインブレイク…。ハリスの上側、レベルライン側のこぶで切れてしまっていました。1.2号のフロロでそう簡単には切れない仕掛けなのだが。
魚の口に毛ばりとハリスを残した状態なのはさすがに心が痛むので、もう一度しっかりかけてやろうと、同じ毛ばりを結んで先ほどより少し上流に落としてポイントに流し込むと、ガバっと大きく水面が割れてかなり大きいニジマスが飛び出しました。明らかに先ほどと同じ魚です。
でも、あんなに派手にトップで出られると焦ってしまうんですよね。反射的に早合わせをしてしまいせっかくのチャンスを棒に振ってしまいました。その後、手を変え品を変え誘いをかけますが全く反応せず、毛ばりとハリスの回収はできずじまいでした。自然に毛ばりが外れることを祈るしかありません。ごめんなさい。
今回久しぶりのラインブレイクを経験して、やっぱりハリスをナイロンに戻そうかなと思いました。どうもフロロはすっぽ抜けがたまにある印象です。おそらく私の結びが雑なのもあるのでしょうが、なんか毎回同じ強度には完成しない印象です。
その点ナイロンだとすっぽ抜けがないし、やわらかくて食い込んでくれるから緊結部分は強くなる印象です。いずれにしても仕掛けの見直しの良い機会になりました。
その後、1時間半ほどゆっくり釣りあがって5匹のニジマスを手元まで寄せ、アベレージは30センチと、テンカラを楽しむにはちょうど良い川でした。上の画像のような、ごく浅い障害物の影から、面白いように魚が湧き出してきます。
人工物はところどころにありましたがゴミもほとんどなく気持ちの良い川でした。時間があればぜひまた訪れたい。
さて、せっかくここまで来たのだからほかの幾春別川の支流も探っていきたいところ。前回激濁りで釣りにならなかった奔別川にもう一度降りてみました。またしても激濁りで釣りにならず。
上流に続く道は工事関係者のみ通行ができる状態(2022年7月時点)で濁りの原因よりも上流に行くには難しいようです。この川で釣りをしてみたかったのだが、あきらめるしかなさそうですね。
帰宅後調べると、ダムの建設中みたいですね。本当にこの川にダムをつくる必要があるのだろうか。洪水対策だとしたら、下流に遊水地を設けたほうがコスト環境両面からスマートだと思うんだけど、あくまで素人の考えです。
幌向川支流
さて、幌向川と言えば巨大ウグイの顔が思い浮かぶ方も多いと思いますが、もう一度だけちゃんと確認をしたいと思い、雰囲気がよさげな支流をピックアップし足を運びました。
最初に入ったのは美流渡地区を流れるシコロ沢川(上の画像)です。大きな食品工場がある少し上流から川に降りましたが、コンクリート護岸がされていてゴミも多い印象。でも夕張の志幌加別川や札幌の精進川の例もあるので、ゴミの多さはあまり関係がありません。
水量も程よくポイントも多いので期待をして毛ばりを流しましたが…まったく反応がありません。歩きながら目を凝らして水中を観察しますが、魚らしき影を見かけることもなく、もしかしたら魚がまったく住まない環境なのか。
地理院地図を見る限り、上流部に過去に炭坑や鉱山があった形跡もないし、いろいろ謎です。早々に「魚がいない」と判断をして、移動することにしました。なんだか雰囲気も良くないし、子育て中と思われるカラスに警戒されるしで散々な目にあいました。
ところで、幌向川流域ってなんだか雰囲気があまり良くない印象なんですが、それは単純に魚が釣れないからという理由で私が勝手に思い込んでいるだけなのか、それとも実際過去に何かあったのだろうか、定かではありません。
私は霊感が全くないと自覚しているのですが、でもなんとなく不気味でゾワっとするんですよね、この付近は。
おしゃれなホテルもできたみたいですが、わざわざこんなところに泊まりたくはありません。
さて、話を戻して釣りです。シコロ沢川をあきらめて本流をさらに上流へ進みます。前から目を付けていた支流の一つポンポロムイ川に向かいます。
昔炭山があったエリアで朽ち果てた建物が緑の浸食を受けていて、廃墟好きな人にはたまらない光景なのでしょうが、私はただただ不気味だなと思うばかりです。
深い谷を流れているので降りられる場所は限られていますが、懸垂をすればぎりぎり昇り降りができる場所を見つけて川に入りました。おそらくほとんど人が入っていないであろうこの川、大物イワナなんかがサクッと釣れたりなんかして、と私にしては珍しく楽観的にロッドを振り始めました。
水面に落ちた毛ばりに反応するので、先ほどのシコロ沢川と違って魚はいるようです。木が覆いかぶさるいい感じの淵でやっと毛ばりがしっかり刺さり魚を手元まで寄せることができました。
やっぱりというか、なんというか。ちゃんとウグイでした…
画像の滝まで一時間ほど釣り上がりましたが、どこもかしこもウグイばかり。やっぱりだめなのか…幌向川とその支流。
このポンポロムイ川もなんとなーく雰囲気が良くありません。背筋がゾワッっとします。こんなことを言っている時点で、私は実は霊感が強いのかもしれません。
釣れないし、ぞわっとするしで私にとって何一つ良いことがないので、今後このエリアに訪れることはないでしょう。でも、釣れないということがはっきりしただけでも来た甲斐はありました。
時間が余ったので夕張岩見沢線をそのまま走り夕張まで抜けて、志幌加別川でちょっとだけ釣りをしました。中途半端な時間に超メジャーポイントで適当に毛ばりを流しましたが、あっという間にニジマスが釣れました。やっぱり魚影は濃いですね、この川。
でも相変わらずゴミが多くて辟易しました。落ち込みを作る岩の突端にトラックドライバーが投げ捨てたと思われるお〇っこ入りの三ツ矢サイダーのペットボトルがのっかっていました。その直下からニジマスが出るんだから、なんだか世紀末の釣りですね。
このお〇っこ入りのボトルですが、長沼の道の駅付近から千歳へ抜ける高架道の中央分離帯にも大量に落ちていて目を引きます。ボトルのタイトルと中身の色がまるで違うので一目瞭然なんです。一部のマナーが悪いトラックドライバーの仕業なんでしょうが、どうにかなりませんかね、ほんと。
まとめ:少し歩けばスレていない川がたくさんある
最初に入った川は林道ゲート前に車を止めて少し歩いてから入渓したのですが、それだけでも車を降りてすぐに釣りができる川に比べて格段にスレておらずに、無駄な試行錯誤や、うがった考えなしに純粋に釣りを楽しめました。
出そうなポイントから素直に出る、こんなに楽しいことはありません。最高のひと時でした。次回は逃がしてしまった大物を確実にかけて、口に残してしまった毛ばりを回収したいと思っています。
世間は今日から3連休。魚はスレ、川はごみだらけになるのでしょう。多くは観光客がすること。私はアンチ観光なので、オーバーツーリズムの考えが広がって、各人が地元の自然や文化・生活に目を向ける余暇の過ごし方が広まればいいと思ってしまいます。
現代人の一時的な娯楽のために不可逆的なダメージを環境に与えてはいけないでしょう。そんなつまらないことを記しつつ今回は終わりです。
※今回釣り歩いた川の詳細はこちらのマップにまとめてあります。入渓地点や駐車スペースなど役に立つ情報を記載していますので、札幌近郊の釣行をお考えの方におすすめです。ぜひご活用ください。→【夕張/芦別/徳富】渓流釣りマップ「空知」の販売を開始しました
※北海道での釣りがご心配な方はこちらの記事も参考にしてみてください。→【規制とマナー2023】北海道で川釣りをする際に気をつけてほしいこと
この日の記録
釣った魚
- ニジマス 5匹(25~35センチ)
- ウグイ 数匹(20センチ前後)
使った毛ばり
ドライフライ#12
確認した野鳥
- ウグイス
- マガモ
- アオジ
- キジバト
- ドバト
- キビタキ
- ノビタキ
- ハシブトガラス
- アオサギ
- ハクセキレイ
- カワガラス