【2024/9/25】美唄芦別釣行

中国東方航空の新千歳発ハノイ便、往復で36100円という11月上旬のやけに安いチケットを見つけてしまい、1週間くらい悩んでました。行くなら自転車旅行にするつもりですが、果たして旅行の動機が”チケットが安かったから”でいいのだろうかと悩んでしまってタイミングを逃してしまいました。いや実際のところまだ悩んでいます。

LCCではない一般的な航空会社の場合、最初から与えられている荷物の重さの範囲内であれば別料金なしで自転車のせることができます。事前の手続きも不要でカウンターで「チャリで~す。」と言うだけ。そしてもちろん機内食もつくしこれはお得だろ、どう見ても。

唯一気がかりなのは上海乗り換えとなりウェブによると一度入国する必要があり(乗り継ぎの場合はビザなしでOKみたいだが)再度チェックインし保安検査を通過し中国を出国する必要があるということ。これはめんどい。

イヤそれでもこの安さは捨てがたい。11月のベトナムは北部であれば雨の心配もほぼないみたいだし、これは買いなのか?とずーっとそんなことを考えながらの上の空釣行となってしまいました。

今回は美唄芦別方面を釣り歩いた記録です。

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美唄のなじみのポイントで

まずは今日のこのブログの”撮れ高”を最初に手にして肩の荷を下ろしておきたいところ。一日の最初にしっかり釣果があると残り時間をリラックスして釣りを楽しむことができます。

中型虹鱒の魚影が濃い某川のポイントに車を停め廃屋を横目に谷を降りて仕掛けを展開しさっそく釣り始めました。時刻は午前10時半。

水量はやや少なめですがギリギリ釣りになるコンデションで、少ないポイントに忍び足で近づきつつフリッピングでビシャッと毛ばりを水面に叩いていく。

小さな魚は出るけど大きな魚はなかなか姿を見せてくれない。そんな感じでたどり着いた、上下の入渓可能地点のちょうど真ん中にある”the サオヌケ”というポイントに到着。ここではスレという言葉を知らない虹鱒がなんの疑いもなく純真無垢な心で毛ばりにアタックしてくることを見越して、へんな小細工はせずにユルイ流れのど真ん中にいかにも頭上の木から落ちてきましたーといった感じでぽとりとトップの毛ばりを水面においてやります。

刹那、ドガバッシャーンという音とともに魚が体を ( を横にした姿で弓なりに宙を舞います。得意の”オートアワセ”が決まりそこからは非力なテンカラロッドでやり取りを始めますが下流に浅瀬があったのでじっくり時間をかけて弱らせつつそこへ誘導し無事にネットイン。

手ごたえは40あるかなといったものでしたが、残念35cm。それでも久しぶりにハラハラドキドキするやり取りを楽しめたし、なにせ狙ったポイントで狙い通りに魚を出せたので満足です。

全長はそれほどでしたがあのトルクを発生させる魚体はそりゃ大したもので、魚屋に並べられるサバのようにどっしりとしてなかなかに旨そうです。私はリリース派なのでこの魚は食べられることなく無事に住みかである川の水底へ帰っていきました。「いやーマジで死ぬかと思ったさー」と今頃仲間と話していることでしょう。

今日の釣り、この一匹でだいぶ楽になりました。あとは釣り場の開拓と確認をプレッシャー無しですることができます。”ボウズ”の影におびえて暮らしたくはないものです。

開通した道路

もうさんざんメディアなどで取り上げられているので隠す必要はありませんが、先日美唄から芦別へ抜ける道路が開通しました。ここは非常に気になっていた区間なので早く探りたいなと思っていたのです。

開通から一か月程度が経っているのでそこまで期待はできませんが、いままでアクセスできなかった川へ簡単に入渓できるようになり期待も膨らみます。

主だった橋から川の様子を覗き込むと、どこも深い谷になっていて降りられないことはないけど面倒そうなのでなかなか決心できません。急斜面を必死こいて降りてウグイとかはよくある話(私は)でそんな過去の悲惨な情景ばかりが頭をよぎり決心を鈍らせます。無駄な苦労はしたくない、楽をしたいんだ。

逡巡しつつハザードを点灯させながら路肩をゆっくり進みポイントを探していると道が河原まで続いている緩やかな斜面を見つけたので車を停めさっそく降りてみました。

おそらく開通から約1か月、すでに相当数の釣り人が入っているのでしょう。アタリは皆無で魚の気配すらありません。この川の下流は好釣り場なので確実に魚は居るはずなのだが何かがおかしい。

一部の釣り人は本当に見境いとか節操とかに欠如していて、とことん奪い貪りつくすもの。河原にはホームセンターのシールが貼られた釣り具のパッケージがゆらゆらと風にうごめいていました。

ここでちょっと偏見を披歴したいと思います。お気を悪くされる方がいるかもしれません。最初に謝っておきたいと思います。ごめんなさい。

ホームセンターでその場限りの釣り具を買う人たちはマナーが悪く、加えてそういう連中はキープ派が多くその川にいる魚を根こそぎさらっていってしまいます。魚が豊富な北海道と言えどもこんなことが続けばいい加減枯れた川ばかりになってしまうでしょう。

やはりライセンス制を導入したほうがいいんじゃないかと思います。ライセンス所持者しか釣りができないようにしてしまえば、思い付きで釣りに行く人は減らせます。意外な話なんですが釣りに関しては”ガチ勢”の方がマナーがよく、先ほども書いたホームセンターで釣り具を買って使い捨てする連中がゴミを放置しタバコを捨て魚を持ち去ります。(繰り返しますが偏見あり)

北海道は漁業権が行使されていない川がほとんどで、管理や放流も行われておらず放置&釣り放題といった状況です。良い意味でへんなしがらみとか利害がない状態だからこそ、北海道全域で使用可能なラインセンスみたいなものは実現できるんじゃないだろうか。(もちろんすでにライセンスを発行している一部の川は除きます。)

少し割高(5年3万円とか)にし、オンライン講習を受講し感想文の提出を義務付けるなど敢えてちょっと面倒な手続きにする。ライセンス保持者は事務局のリストに登録され腕章と車に貼るステッカーを受け取り釣りをする際には提示義務がある。さらに登録した端末でなければログインできない”釣り場マップ”的なものがあってもよいかもしれません。

こうすると北海道全体が”本気で釣りをする人が本気で釣りをするフィールド”となっていき、それは今よりも地域の価値を高めるんじゃないだろうか。ライセンスの発行で得た資金はフィールドの管理に充てればいい。釣り人を制限できれば放流の必要はないくらい魚は多いと思う。

私は行ったことがありませんが、ニュージーランドやアメリカのいくつかの州ではうまいこと保護と遊びを両立させているらしいです。北海道は本州とは大きく異なっていて、どちらかというと海外に近い風土なのでそれらから学んでそろそろ本格的に動き始めてもいいんじゃないだろうか。

そんなことを考えながら魚枯沢で無駄にロッドを振り消耗しました。

芦別本流~鬼門のポイント

そんな感じで開通した道路沿いでは思ったような収穫はなく、ただライセンスがあったほうがいいんじゃないかと私に思わせるだけだったので、芦別に抜けて本流でちょっと釣りをしてみます。

入渓が楽で魚影もそこそこ濃いポイントがあるんだけど、先行者らしき車が停まっている。中に人影が見えるので、釣りが終わって車内で休んでいるのかなと思い、挨拶がてら私が入ってもいいか伺うことにしました。

じいさんと言っていい年齢だろうか。釣りに来たのではないとおっしゃるので私は入渓することにして釣り支度を始めると彼が近寄ってきて、いろいろ釣りの話を始めます。

この場所のこと、近くの川のこと、大物のこと、ヒグマのことなどを次から次へとしゃべりだしたら止まらないという勢いで楽しそうにしゃべり続けます。途中まではニコニコ聞いていた私も、エンドレスに長くなってくると嫌気が差してきて、しまいには私の釣り方を問い「フライじゃダメだわ~」とか言い出す始末。(テンカラと言わなくてよかった。さらにダメ出しを食らいそう)

いやいや、私はあなたにアドバイスを求めちゃいませんぜ。

私はテンカラという縛り、もとい哲学があるからこそ釣りが楽しいのであって、それは釣り人に向かって「魚なんてスーパーで買えばいいじゃん」とか「投網だったらもっとたくさん魚が獲れるゾ」と言うのと大差ありません。

そんな感じで一方的に無邪気に話し続けるじいさんに適当に相槌を打ちつつ釣り支度を済ませ、なかば逃げるように入渓した芦別川本流では小さな虹鱒が数匹釣れただけでした。完全に心を乱された感じです。

実は先日、まったく同じ場所でこんなことがありました。

釣り支度をしていると車でやってきたおっさんに「釣り?今から?」と声を掛けられました。挨拶も無しにいきなりため口でこんなことを言われたら仏のキタテンと言われる私も(真っ赤なウソです)さすがにちょっとムッとし「はい、今からです」と答えると、おっさんはどうしてもそこに入りたかったのでしょう今度は「上に行くの?下?」と聞いてきます。

要するにそこに車を止めて私が入らない方向へ釣り上がるか下るかしようと思ったのでしょう。私は最初にこの場に着いているし、挨拶すらしないため口のおっさんと釣り場をシェアなぞしたくなかったので正直に「わかりません。川に降りてから決めます」と答えました。これは事実で、川の雰囲気を確認してから釣りあがるか釣り下るか決めようと思っていたのです。

おっさんは私をにらんでいましたが知ったこっちゃないのでそのまま釣り支度を続けていると、そのうち何処へか去っていきました。

挨拶と最低限の礼節は大切だと思います。そして必ずしも敬語を使えとは言わないが、ハナから相手を馬鹿にした態度はいかがなものだろうか。ああいう男が日頃どういう世界で生きているのか、普段の生活をちょっと覗いてみたくなりました。意外と閑職で無為に過ごし自宅では妻に頭が上がらないのかもしれない。

というわけで、何かと変な人たちに絡まれがちなこの鬼門ポイントは今後できる限り避けるようにしたいと思います。

魚を求めて移動

どうも芦別とは相性が悪いし、やはり人気があるエリアということで平日にも関わらず釣り人らしき車も多く見かけるので、思い切って少し離れた別の有力河川に向かうことにしました。

日が短くなってきた今の時期、午後の1時間を移動に充てるのは賭けといってもいいでしょう。これができるのも、1日の最初にまあまあの釣果があったからこそです。

到着したその川は春先に一度40ジャストのニジマスを手にして以来、長いことコンデションが回復せずにいました。毎年秋になると面白くなる川なのですが、この日は相変わらず渇水気味でゴミが漂っています。ちょっと早かったかもしれません。

でもほかに入れる川もないので時間いっぱいダメもとでこの川で粘ってみることに決めます。実績のある大カーブも流れが完全に止まっていて、なんなら鯉でも泳いでいそうな雰囲気です。スイミーのCMの曲を口ずさみながら、二手に分かれた流れが再度合流する付近に毛ばりを落としてみます。

案の定、無反応。そして毛ばりを頭上の枝に引っ掛け強制的に毛ばり交換タイム。ニンフからいつものドライ毛ばりに結び替え今度は頭上の枝に注意しつつ斜め気味に同じ場所を狙ってキャスティング。

毛ばりが落ちた周囲の水面がモゾモゾし弛んでいたラインがぎゅんと鳴り、水面下のキラキラ光る魚雷めいたものが水底の倒木めがけて一直線に走っていく。あれに潜られたらまずいので、ハリスが切れることを覚悟で腕を固めその爆走を封じ、何とか安全なエリアまで誘導します。

結構長いやり取りになりました。焦ってネットを差し入れると暴れられて失敗することになるので、十分に相手の体力削ってから浅い背に誘導し無事にネットイン。残念ながらこちらも40には届きませんでしたが、恰幅のよい38cmのみごとな虹鱒でした。

私のタックルだとこのサイズでも最高にスリリングなやり取りになります。常に気が抜けないまさに真剣勝負が繰り広げられる河原ですが周囲は高齢者が多く暮らす静かな寒村。そんな小さなたくさんのドラマが人知れずこの世界のあらゆる場所で常時発生していると考えると目がくらみそうです。

満足したので今日はここまで...とはならずにポイントを変え制限時間を少しオーバーして毛ばりを投入し続けましたがアタリはあれど魚の姿を見ることはできず。セーコーマートでガラナを買いグビグビ飲んでから帰路につきました。

釣行データ

天気と気温

  • 晴れ(平均風速3m)
  • 現地最高気温23℃

釣った魚

  • 虹鱒6匹(最大38㎝)

確認した野鳥

  • アオサギ
  • ヤマセミ
  • トビ
  • カワガラス
  • ハクセキレイ
  • キジバト
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • ホオアカ

この日、久しぶりにヤマセミを目撃しました。警戒心が強く、私のカメラの射程範囲内にとまってくれたことは今までに一度もありません。いつか写真に収めてみたいものです。

市街地の公園でも渓流があれば見ることも可能で、札幌市内では真駒内公園が有名ですね。私は漁川の上流、そしてママチ川で何度か見かけたことがあります。

カワセミよりもやや大きく濁った直線的な”ピー”という声を出しながら川と平行に飛んでいきます。

他にはこれと言って野鳥に関しては収穫はありませんでした。そろそろ夏鳥の季節も終わりです。入れ替わりにカケスやウソが高い山から下りてきてそのうちマヒワやレンジャクの群れも遠い異国から格安チケットを握りしめやってくるのでしょう。何か冬季の楽しみを探しておかなければと焦っています。

釣りに関しては今日はバラシも無く掛けた魚はきちんとネットに納めることができたし録画ミスもせず悔いない一日となりました。

今シーズンの釣行記はあと4回となりそうです。この先なにか劇的な展開が待っているのか、はたまた何も起こらず消え入るようにシーズンが終わるのか、ご期待いただけますと幸いです。

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