【2024/7/25】恵庭自転車釣行

前回の釣行で3度目の羆遭遇となり、それが意外にも羆に対する私の認識をちょっと変え、なんなら次回は伝説のおやっさんのように叱ることができるんじゃないかと思えてきました。

メディアによって凶暴な側面ばかりがセンセーショナルに報じられがちですが、彼らは本来臆病な生き物なので普通は人間を見ると逃げていく。だから次回は無意味に叱ってやろうかと思っておりますが、やはり一度体に染みついた臆病風はそう簡単には消えないので、今回は近場でのチャリ釣行です。

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茂漁川

自宅から自転車で40分程度、恵庭市を流れる2河川で釣りをしてみます。

一週間ほど続いた30度以上の酷暑を一雨が押しやり、ガラッと空気が入れ替わりいっとき涼しくなりました。この隙に以前からたくらんでいたチャリ釣行に出かけた次第です。

漁川、茂漁川はともに恵庭を流れる清流でありまして、茂漁川は漁川に市街地で合流しそのほかの小河川を吸収しつつ千歳川に合流します。漁川の源は恵庭岳方面で恵庭の水道水は以前からおいしいと評判でございます。水源は恵庭ダムの上流にあるはずです。

まずは漁川との合流地点から茂漁川に降りてみます。第一印象は「とにかく水が冷たい。」こいつは真夏の水温じゃない。冷たすぎてウェットでは30分が限界といったところ。

水面にはこの水系の固有種であるチトセバイカモ(上の画像)が茂り、それが作る物影からは手のひらサイズのヤマメがすいすいと滑るように上流へ泳ぎ去っていきます。

今回入った漁川との合流地点からしばらくは三面護岸から自然風河川への復帰工事が平成初期までに行われた区間で、当時としてはとても先進的な取り組みで話題になっていたのを覚えています。おそらく現在ではちょっと古くなっている工法だと思うのですが、バリバリの3面護岸から”河原”を復活させるという工事は当時としてはとても画期的だったはず。

広げられた河原により川が自由に動けるようになると流れの筋が複雑化し、水中に砂州が形成され植生も多様化、植物も動物も返ってくるという好循環が生まれるみたい。

そんな市民と行政の努力の結晶ですが、四半世紀を経た今、そこには大小さまざまなゴミが突き刺さっています。おそらく橋から投げ捨てられたものなのでしょう。可憐なバイカモの傍らにはマックの紙コップがユラユラしている。

もうこれは市街地を流れる川の宿命なんでしょうかね。啓蒙なぞでは防ぐことはできません。解決策は橋の数を減らし河原の草刈りをやめて鬱蒼とさせ人が近寄らないようにするしかないのでしょうか。悲しいですが。

とにかく、その水の鮮烈さはこの近郊ではトップクラスの川であることには違いありません。残念ながら私の毛ばりにはヤマメはかかりませんでしたが、山間部の渓流とはまた一味違う、平野の清流を体感出来て満足しました。

漁川

この漁川本流、私にとってはイワクツキの河川であります。

上流でもここ市街地でもいい思いをしたことがありません。あの千歳川と接続しているし、ほかのこのあたりの支流では虹鱒や山女魚を確認しているので、この規模の川であればいいサイズのそれらの魚が確実に棲んでいるはずなのですが。いないはずはないのだが...

茂漁川との合流地点からしばらく釣りあがってみましたが、一度ウグイが釣れたのみでなかなかに渋い結果となりました。釣れないばかりか泳ぐ魚の姿も見ることはできなかった。

釣果は渋かったけどアクセスが容易なわりに一度川に降りてしまうと街の喧騒とは隔絶されるし、公園の東屋に自転車を停めゆっくり座って釣り支度をできるので、ちょっと川に入りたくなった時にはお勧めの川でしょう。

もう少しポイントの開拓を続けつつ通えばそのうちにまあまあのサイズの山女魚や虹鱒も私の毛ばりに出てきてくれることでしょう。

この日は気温はそこまで高くはなかったけど水温はひどく高く水中はモヤっとしていました。もう少し水温が下がってからまた少し上の区間を開発してみたいと思いました。この川も9月に入るとシロサケ、サクラマスが遡上するので普通の釣りはできなくなりますが。

気温が低めだったとは言え、日差しがキツく帽子を忘れたこともあってカリカリに焼けてしまいました。

川の周辺

国道沿いの道の駅は大きな商業施設と化しています。おしゃれパン屋、スタバ、野菜の直売所などドライブ客のみならず地元や近郊の人が多く訪れるもはや街の中心。

地方の駅前駅ビル商店街は廃れ人が消え、こうしたロードサイドの独立店舗が強い時代になりました。一昔前のドライブイン的トレンドがまた来ているのでしょうか。

こうなってくると駅前を再び活性化させたい勢がどこからともなく現れ政治と結びつき駅前に商業施設が再建される、そうなると道の駅のようなロードサイドの店舗は縮小していく...昭和から今に至る地方の経済はこういったスクラップアンドビルド形式でお互いにわかっているのか知らんが持ちつもたれつトレンドというバトンを手渡し衰退と再生を繰り返しながら緩やかに死んでいくのでしょう。

この仕組みを動かしているのは私たち一般市民で、その消費の動機はメディアがたぶんコントロールしています。そこに市民の意思はなく、自分の意思だと思っているものも所詮はどこからか得た”情報”と、自分が楽をして気持ちよくなりたいという単なる”欲”です。

そのような飛沫のごとき儚い現代人の一瞬の欲のために実質再生不可能と言える自然が”3面護岸”にされていくのが文明なのだとしたら、私はその一員になりたくないと思います。

と言っても完全にその束縛から自由になることは突き詰めると”世捨”を意味するので、心で思いつつ表面上はイチ市民の生活に甘んじニヤついてコーラを飲み喉を鳴らし、ようかんパンを頬張り砂糖中毒を慰めるわけです。

さて、肝心の恵庭釣行ですが未探索の小河川もまだあるので、もう少し枝葉の勢いが落ち着く初秋にでも川に入ってみようと思います。自転車だと川の様子が見やすいので、いくつか入渓地点に目星をつけることができました。柏木川、ルルマップ川などです。

釣行データ

天気と気温

  • 晴れ時々曇り
  • 現地最高気温26℃

タックル

釣った魚(尺以下は約寸)

  • ウグイ数匹(約20cm)

確認した野鳥

  • クロツグミ(鳴)
  • ウグイス(鳴)
  • アオジ(鳴)
  • スズメ
  • シジュウカラ
  • キセキレイ
  • ハクセキレイ
  • トビ
  • キジバト
  • ドバト
  • ヒヨドリ
  • アオザギ
  • カワセミ
  • イソシギ
  • オオヨシキリ

上の看板は漁川の河川敷にあるもので、おそらくカワセミがモデルなのでしょう。カッペ感が絶妙なそれは決して誇大宣伝ではなく実際にこの日、水面すれすれをピーというまっすぐな声を発しながら上流へ飛び去るカワセミを見かけました。

意外だったのは市街地を流れるエリアにも関わらず、キセキレイ、イソシギを観察できたことです。渓流とは言えないのでいつも見るカワガラスはさすがに見かけませんでしたが、河川敷では見ることができない鳥が、川を歩くといとも簡単に見ることができるのが、面白いところです。

鳥っちゅうものは本当に環境依存の存在で距離が近くても土地種目が変われば全然見られる種が変わるのです。河川敷の堤防上と川のただ中では観察できる種がまったく違う。

今回も前回に引き続き釣果はさっぱりでしたが時間をかけて鳥を見ながら気になっていた区間を釣りあがることができたので満足しました。また涼しい日を狙って自転車で釣りに出掛けよう。

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