テンカラは釣れない!と思っていないだろうか?

テンカラは釣れない!そういう意見を耳にしたことがあります。その証拠にフィールドでテンカラをやっている人はあまり見かけません。

実際、テンカラは難しい釣り方だと私も思います。ルアー、フライなどほかの釣りを経験しているからこそ、その難しさは私自身よく理解しているつもりです。

ではどうすればテンカラでも釣れるようになるのだろうか。今回はそういうお話です。

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釣れない原因はアプローチだ!

テンカラで釣れない、そう感じているとき、その原因はほぼアプローチにあると断言できます。

そもそもキャステイングをする前に魚を散らしているケースが多いのです。

魚が逃げていく姿を頻繁に見ることがあれば、自分のアプローチの悪さに気がつくのですが、自分が気がつく前に逃げられているケースが多いので、近づきすぎていることに自覚がない人がいます。かつての私もその一人。

想像を働かせてください。渓流魚はかなり警戒心が強いので、その一歩を踏み出すたびに釣れる可能性が減っていると自覚すべきです。

以下でほかの釣りと比べてみることにしましょう。

フライ、ルアーよりも近いテンカラ

ルアー

ルアーはよく飛びます。スプーンやスピナーといった金属製のルアーを選択すると小さくて重たさがあるので、シューッと一直線によく飛びます。

草木に囲まれた渓流で、目標地点までの直線上に障害物がなければ、ルアーは投げ入れることができてしまいます。もちろん、上級者は、ですが。めちゃくちゃ上手い人は、水面を跳ねさせたりもできてしまいます。

フライ

フライも同様に遠くまで飛ばすことができます。

でもルアーよりも自由ではありません。前方に障害物がないことに加えて、後方にも同じくらいスペースが必要になります。ルアーのように一気にラインを出すのではなく、少しずつ手でラインを伸ばしていくからです。

ルアーに比べ風の影響を受けるので、飛距離はそこまで出ませんが、渓流では十分と言えます。

テンカラ

テンカラは飛距離面でかなり不利なので、ポイントまで近づく必要があります。

そして近づくと魚が逃げてしまいます。

それに気がつかずにキャステイングをして、「釣れないなぁ」と思う。そして先に進むと魚が逃げ、それに気がつかずにキャスティングをする。

これを繰り返しているから「釣れない」と感じる。

ではこのアプローチの問題を解決するにはどうすればよいのでしょうか。

「近さ」への対処法

シノビになる(初級)

シノビになる、要するに気配を消すのです。

これは言うは易しです。ただ静かに移動すればいいというわけではありません。

まずはどこに魚がいるか、それをしっかり把握しその魚が逃げないようなアプローチラインをトレースしていく必要があります。とはいっても、魚は見えないのが普通なので、あくまでも「魚がついている場所を予想する」ということになります。

ポイントのかなり遠くから意識して歩を進める必要があります。魚の近くに来てから急にシノンでもあまり意味がありません。

極論するならば、川に入るその時から忍びになる必要があります。

魚がどこにいるかわからないときは「魚はどこにでもいる」と思うようにしてください。

シノブときに特に大切な要素は、水に入るか入らないか、です。河原に歩くスペースがあるときは安易に水に入らずに岸を歩くようにしましょう。その場合でも静かに頭を低くして歩きます。

同行者に笑われるかもしれませんが、気にしないように。一人で忍(しのび)になりましょう。

キャスティング回数を減らす(中級)

失敗キャスト、要するにポイントまで届かなかったり周囲の草木に毛ばりを引っ掛けてしまうキャスティングは「場を荒らす」ことになります。

毎回キャステイングの前に周囲をしっかりと確認しましょう。確実にポイントに毛ばりを落とすことができると確信してからキャスティングをするようにしましょう。飛距離、障害物、二つの側面からです。

そうすると必然的にキャスティング回数は減ります。無理だと思うポイントはパスをして次に行くこと、これだけで場を荒らす可能性は大きく減ると思います。

初心者の方はまずキャスティングの回数を減らしてください。目の前の素晴らしいポイントをスルーのはなかなか気持ち的に大変です。でもこれを実行するだけで釣り全体が充実します。

私は5段階評価で4以上のポイントでしかキャスティングしないと決めています。基準以下のポイントはひっそり通過をするようにしています。

仕掛けを長くする(上級)

ロッドを長くする、もしくはラインを長くします。

ロッドを長くすると重たくなるし扱いが難しくなります。3.2から3.6に持ち替えるだけでその操作感は大きく違ってきます。特に狭い渓流では取り回しが大変になるので慣れが必要です。

はじめのうちは3.2mくらいのロッドおすすめしていますが、それだと魚までかなり接近することになります。

ラインを長くしてもいいのですが、ロッドの長さを伸ばすほうが簡単です。

今持っているロッドに長いラインをつけて振り回すとわかると思いますが、ロッド長より長いラインをつけると取り回しが格段に難しくなります。特にランディングには高い技術が必要になります。

まとめ:現状で出来ること

私は「新しいモノを買って解決をする」ことはテンカラには似合わないと思っています。それこそがテンカラのカッコイイところでもあります。

だから、まずは今の装備のままできることを試してみてください。要するに上記の対策の最初の二項目です。

  • キャスティングを減らす
  • シノビになる

これだけで大きな違いを生むでしょう。そして今まで以上にフィールドを観察するようになるはずなので、質の高い充実した釣りになること間違いなしです。

それでも釣れないときは、フィールド選びを間違えています。魚がいなければ絶対に釣ることはできません。

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