北海道の河川で釣りをするときに気を付けていただきたいことをまとめておきます。他都府県から北海道に釣りに来る方のガイドになれば幸いです。
北海道が発行しているパンフレットがありますので、各詳細はこちらで確認してください。
フィッシングルール 2024 Rule&Manner Web版
ページが分割されていてちょっと見づらいのでまとめて一つのPDFにしておきました。以下をダウンロードしてお使いください。
※当サイトでは同行釣りガイド、マップの販売も行っております。初めての北海道での釣りで心配なことも多いと思います。こちらのご利用もぜひご検討ください。
北海道の川釣りをざっくり解説
まずは概要です。これさえ押さえておけば北海道で気軽に渓流釣りを楽しめます。
- さけ・ますは川で釣ってはいけない
- 遊漁券(ライセンス)は一部を除き不要
- ヤマメ・アユの禁漁期
- 釣りができない保護水面
以下でひとつずつ見ていきましょう。
さけ・ますは川で釣っちゃダメです
原則、河川でのさけ・ますの捕獲はすべて禁止されています。
※さけ・ますとはさくらます、からふとます、べにます、ぎんます、ますのすけを指し、釣りの対象魚であるニジマス、アメマス、ブラウントラウトは含まれない。
※2河川(浜益川、忠類川)では許可を得てさけ釣りが可能。近年はコロナにより中止が多い。詳しくはお問い合わせを。
私も秋にニジマス狙いで釣りをしていて、目の前をさけが遡上していくのを何度も見たことがあります。私がやっているテンカラのような小さい毛ばりには見向きもしないので釣れることはまずありませんが、ちょっとドキッとしてしまいますね。
内水面だけではなく、河口でのさけ・ます釣りにも規制があります。詳しくはこちらで確認をしてください。
河口付近等におけるさけ・ます採捕禁止区域一覧(石狩・後志・檜山・渡島)
河口付近等におけるさけ・ます採捕禁止区域一覧(渡島・胆振・日高・十勝・釧路・根室・オホーツク・宗谷・留萌)
北海道に住んでいて肌感覚で実感するのは、ウニ・アワビの密漁、サケの密漁に関してはかなり厳しく取り締まっている、ということです。
北海道でさけ・ますを釣ろうとお考えの方は、規制のない河口や海岸で釣りをしましょう。
ちなみに、かなり混みあうことは覚悟してください。個人的な意見ですが、イクラが欲しければ市場ですじこを買って作ればいいし、大物トラウトを釣りたいのであれば湖での釣りをお勧めします。
でも一定のファンがいますので、サケ釣りはサケ釣りという別分野のように感じます。
道内河川では遊漁券(ライセンス)は一部を除き不要
北海道の河川は他都府県の河川と違い漁業権が設定されていない河川がほとんどです。なので遊漁券を購入することなく自由に釣りをすることができます。
遊漁券が必要な川と湖はこちらに記載がありますので参考にしてください。
トラウト狙いの川釣りで遊漁券が必要な川は、阿寒川くらいです。
道南河川でのアユ釣りは遊漁券が必要(例:朱太川、余市川)。また湖での釣りは、ワカサギに関しては遊漁券が必要なところが多く、トラウトで必要なのは朱鞠内湖、洞爺湖、阿寒湖くらいでしょう。
観光客にも人気がある支笏湖は、おかっぱりでニジマスやブラウンをねらう分には遊漁券は必要ありません。なお、ヒメマスをねらう場合は必要です。
ヤマメ・アユの禁漁期
ヤマメに関してはすべての河川で禁漁期が存在します。
4.1~5.31 上川・空知・石狩・後志・桧山・渡島・胆振
5.1~6.30 日高・十勝・釧路・根室・オホーツク・宗谷・留萌
上記の期間内に対象エリアでヤマメを捕獲してはいけません。
札幌とその近郊では4・5月はヤマメを釣ってはいけないと覚えておきましょう。道東・道北では5・6月はヤマメを釣ってはいけません。シンプルなルールですね。
アユはすべての内水面で【4.1~6.30 / 9.16~10.31】禁漁となっております。こちらもご注意ください。
釣りが一切禁止!保護水面に注意
北海道には全面的に釣りが禁止されている河川(保護水面)があります。
保護水面では本流・支流すべての流域で一切の水生動物の採捕が禁止されています。特に支流は見落としがちなので要注意です。保護水面では釣り具をもって川に入るだけでもNGということになります。くれぐれも気を付けてください。
札幌近郊の保護水面(釣り禁止河川)は以下の通りです。
- 厚田川本支流
- 暑寒別川本支流
- 信砂川本支流
- 積丹川本支流
- 余別川本支流
- 古宇川本支流
また、期間とエリアを指定して禁漁としているケースもあります。以下を参考に釣行の際には誤って釣りをしてしまわないように十分注意しましょう。
有名なのは千歳川。根志越橋~インディアン水車間は8.21~10.31はすべての採捕が禁止されています。
グーグルマップなどで釣行計画を立てる際に、気になる河川があったらこの表に記載がないかを確認するとよいですね。
北海道の川釣りで他に気になること
キャッチアンドリリースでも法に抵触するのか?
この問題はしばしば釣り人のあいだで議論になるものです。
たとえば、千歳川で4月(道央のヤマメの禁漁期)にブラウントラウト狙いで釣りをしていたら、ヤマメが釣れてしまって即リリースをした。このようなケースは法に抵触するのでしょうか?
これは、ルール的にはアウトとなります。以下のページ左下に記載がありますが、狙って釣ったわけでもなく、持ち帰ろうとしていなくても釣りという行為でヤマメを採捕しているので違法行為とされてしまいます。
では、ヤマメの禁漁期にあたる4・5月(道東では5・6月)には川釣りは自粛したほうがよいのでしょうか?
その答えは各人に委ねるしかありません。
厳密にいうと対象魚を手元まで持ってきてしまうと違法行為になります。もし、人生においていかなる違法行為もしないということを大切にかんがえていらっしゃる方は、ヤマメ禁漁期には川に入らないことをお勧めします。
さて、建前はこのくらいにして、実際に北海道に住んでいる人がどんな釣りをしているのか、お話しましょう。
北海道の河川は4・5月は雪解け水によって増水しているため、本流では基本的に釣りになりません。釣りをするには支流の源流部や雪の少ない地域まで行く必要があります。
私は春先から釣りをしたいので、3月末から源流や太平洋側の小河川に行きますが、今までにヤマメを釣った実績がない川に入ることにしています。狙うのは主にニジマスになります。
一度だけ禁漁期間にヤマメをかけてしまい、即リリースをしたことがあります。もし仮に、取り締まりをする人に目撃されたとしても、おそらくを「気を付けてくださいね」で終わります。
サケの規制と比較すると、ヤマメの規制に関してはそれほどうるさくありません。
またもし仮に、私がキープ派で、腰から下げた魚籠に大量のヤマメを持っていたとしたら、ちょっとまずいかもしれませんね。でも、ヤマメの密漁をして逮捕されたという話は少なくとも私は聞いたことがないので、めちゃくちゃ組織的で悪質でない限りは注意で済まされるのでしょう。
なにが言いたいのかというと、規制はグレーであとはマナーの問題だということです。この記事を読んでいる方は、自ら釣りに関する規制を調べようとするくらいの人なので、まったく問題ないと思います。
でも、しつこいですが、どの川でもさけ・ますは絶対に釣ってはいけませんよ!
ヒグマに出会うことはあるのか?
私は釣りをしていてヒグマに遭遇したことはありません。登山をしていて100メートルくらい先にヒグマの親子を目撃したことはあります。
2023追記:2022年夏にヒグマに遭遇しました。詳しくはこちらをご覧ください。腰を抜かしました...【2022夏】夕張川支流でヒグマに遭遇しました
あなたもご存じでしょうが、釣り人は嘘つきが多く、こと釣った魚のサイズとヒグマとの遭遇の武勇伝はもりに盛る傾向があります。
私が信用できると思っている釣り人に関しては、ヒグマとの遭遇率は0%です。糞を目撃したという話や、爪とぎの跡を見たという痕跡の話はよく聞きますが、遭遇したという話は聞いたことがありません。
でも実際に、釣り人や山菜取りの人が襲われたというニュースは耳にするので、絶対にないとは言い切れません。でも、私の感覚では、ヒグマに襲われてしまう人は警戒を怠っていたのではないかと思います。
山や川に慣れている人ほど、その恐ろしさを勉強していますし、万が一出会ってしまったときのために、対処法や生態を普段から頭に入れて渓流や沢に向かいます。
過度に恐れると釣行自体が楽しくなくなってしまうので、しっかり事前に情報を収集し、もし出会ってしまったときにどういう行動をとるかをシミュレーションして川に入るようにしましょう。
ヒグマについてまとめた記事を作りました。参考にしてください。
ヒグマの出没状況を調べるにはこちらが便利です。
釣行予定の川付近で最近ヒグマが目撃されていないかを確認してから出かけましょう。このひと手間で大きく危険度は違ってきます。一度人間を襲ったり、荷物を漁っているヒグマは大変危険です。
まとめ:ルールを守って楽しく安全に釣りを
ということで、北海道の川釣りにおける規制(レギュレーション)とちょっと気になることについて書いてみました。概要はこんな感じです。
- サケは川と河口付近で釣っちゃダメ
- 遊漁券(ライセンス)はごく一部を除き不要
- ヤマメ・アユの禁漁期がある
- つりが全面禁止の河川(保護水面)がある
- ヒグマには要注意
今回お話しした中で、特に注意をしていただきたいのは、釣りが全面的に禁止されている保護水面の存在です。私も危うく釣りをしてしまうところでした。支流もダメだということを知らない人は結構いると思うので、十分注意してください。
そして、長く釣りをしていると、明らかに密漁だろうという人や、著しくマナーが悪い人に出くわすことがあります。その際には、直接注意をすることは避け、警察や管轄機関に通報をお願いします。
ルールを知ってマナーを守って、お互いに気持ちよく釣りをしたいものですね。
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