真剣に話すと軽く取られ、適当に口にすると重く受け取られるということを私は経験しがちです。要するに思いや気持ちがうまく伝わらないのです。
これはたぶんなんですが会話のTPOというものをわきまえていないことが原因なんだろうと思います。もっと有り体に申すならばただの”コミュ障”なんでしょう。やはり言葉を伝えるにはそれなりのタイミングで入念に作戦を練って実行する必要がありそうです。
特に「これはわかってほしい!!」という大切なことは簡単に口にはせず機会を待ったほうがよさそうです。そう思わざるを得ない経験を先日し、唇を嚙んだ次第です。
今回は夕張川をメインにじっくり探ってみました。
記録更新の上流域
まずはシーズン開始直後からおいしい思いをさせてもらっている某上流のポイントへ向かいました。下流に人影は見えましたが私がメインで探りたい緩やかなカーブには人影がなかったので、じっくり丹念に毛ばりを落としていきます。
水量はかなり少なく通常の半分にも満たない印象ですが、藻や泥は無く雰囲気的には悪くなさそうです。
そして開始直後からぽつらぽつらアタリはあり、しっかりフッキングしないけどまぁそのうち釣れるだろうと高を括りつつテンカラを振り続けていると、大きな手ごたえを感じました。
はっきりとしたド派手な水面へのアタックはたいていウグイです。岩魚や虹鱒などの大型魚はたいていヌルっと上品に、波紋の一つも残さないように毛ばりをくわえていくものなんですよ。
ということで、記録更新のウグイです。
これはきちんと計測していませんが(約45cm)大人になってからの記録更新だと思っています。というのもまだ私が小学生の頃、祖父の家のそばの川でしばしば釣りをしていてイトウのような巨大なウグイを釣りまくって喜んでいたので、感じる大きさの主観的な違いはあれど(子供の頃はほとんどのものが大きく見えるから)あいつらは明らかに50cmはあったはずです。
ということで不名誉な記録を更新しつつ、このままでは引き下がれないと釣りを続けましたが釣れるのはウグイばかり。
一度虹鱒らしき魚をフッキングしましたがランディングには至らず、何度か激しくジャンプされたのちバラしてしまいます。ウソじゃないもんとメイちゃんみたいに口を尖らし独り言ちます。
これ以上続けても同日に再度記録更新という不名誉を塗り重ねることになりそうだったので、ポイントを変えることにしました。そのうち水量が回復したら大型イワナと対面できるでしょう。また来週、水量の回復を期待しつつちょっと探ってみる予定です。
笹濁りの中流域
まだ入ったことがない中流域に移動してみました。ダムや堰が多く水量も濁り具合もとても不安定な区間なので敬遠していたのですが、上流のいわゆる「渓流」と呼ばれる流域はどの河川もことごとく渇水しているので、前回お話ししたように本流の新たなポイント開拓に乗り出した次第です。
ぱっと見先ほどの上流以上にウグイの魚影が濃そうで、正直もう大ウグイに私の毛ばりを汚されたくないという気持ちもあるのでキャスティングを躊躇しましたが、せっかくやぶ漕ぎをして河原に立ったのだからとりあえず1匹だけ釣って帰ろうということにして釣りを開始しました。
少しでも流れがあって鱒類が好みそうなポイントを探して毛ばりを入れてみます。水面を割って出ては来ませんが、水面下でギラッと魚体が光るのは目視できるので何らかの魚はいるしヤル気もあるように思われます。
濁りがきついのでドライ毛ばりから金ビーズのニンフに結び替えもう一度反応があったラインをコツコツとトレースしていきます。すると先ほどギラッとしたちょうどその場所でぴたりとラインの動きが止まったので軽くロッドをあおると程よい重さが乗りました。
上流でもウグイだったのだからまぁここでもウグイだろうとあまり期待せずに徐々に距離を詰めて目を凝らして見るに、それはどうやら虹鱒らしいことが判明し、こうなると絵的にもトレダカ的にも精神衛生的にもぜひともネットに納めたいと急に焦りが広がり雑なロッド操作になってしまうものです。
「急がば回れ」はランディングにも適用される言葉だと最近知った次第です。「急いては事を仕損じる」も先人のランディングミスが発祥かもしれません。
障害物もなく浅瀬が連続するのでそんなに苦戦することなく無事にランディングをし計測を済ませて流れの緩い浅瀬にてリリースをしました。35cmの虹鱒でした。いかにも本流という傷が背中にある精悍な魚体に見とれました。良き良き。
とりあえずこれで今日の釣行は無駄なものにはならずに済んだ形です。申し訳ないがウグイオンリーの釣行はその日を無駄にした感しか残しません。ウグイ氏が毛ばりをくわえてほほ笑む夢を見てしまいます。冗談ではありませんよ。
さてその後先ほどのやり取りで荒らしていない3mほど上の深みから尺前後のニジマスを追加したのち、周囲の別ポイントも探ってみましたがアタリはあれど釣り上げるには至らず。
この日はウグイの記録更新と新しいポイント開拓でそこそこ満足をしてまだ時間は残っていましたが竿をおさめて来た道を引き返しました。暑さもあり疲労感を肩にどっと感じます。セイコーマートで塩握り2個パックと柿ピーをもとめ体力ゲージを回復させたのち自宅のある街まで車を走らせました。
カラスの攻撃
先ほどの中流域で釣りを始める前に、上空が何だか騒がしいなと見上げてみると、オジロワシの幼鳥がカラスに追われていました。
まだ全体的に黒っぽくボサボサで嘴の先も黒かったので、成鳥ではないということはわかりますが、何年目の若鳥なのかは私には判別不能です。ちょうど換羽の時期なのか初列風切羽が欠損しているのがわかります。
カラスは本当にどこまでも強気で、巣に近寄るものはタカでもワシでも人間でもかまわずに襲い掛かるから大したものだと思います。なんでそんなに怖いもの知らずなのかその強心臓のカケラを分けてほしい。
かくいう私も先日自宅近くでカラスの襲撃を受けたので、このオジロワシのヤルセナイ気持ちは手に取るようにわかります。
その日私はどうしても藪に潜むエゾセンニュウの姿を見たくて、美声がしてくる遊歩道沿いの灌木林をしばらく歩を止め凝視していたのですが、どうも付近にハシブトガラスの巣があったみたいで、子ガラスを狙う不届きものと勘違いされたらしく、2羽のペアと思しきカラスに襲われました。
自宅まで100Mくらいのところから逃げに逃げて、自宅に入る直前までしつこく追われてそれはもうひどい目にあった次第です。もう完全に容姿と自宅の位置がばれてしまったようで、私が外出する際には必ず近くの電柱の上で夫婦そろって私の動向を見張っていて、隙あらば鼻先をかすめるように低空飛行で威嚇してくる始末。困りました。
いろいろ調べてみると、襲われたときに背を向けて逃げる行為は火に油を注ぐ悪手だったようですね。動物の本能でやはり逃げるものを追ってしまうみたいです。対策としては背中を見せずに後ずさるというヒグマ対策と同様の動きが良いみたいです。
後日、その作戦に従い近くに来た時に逃げずにじっと睨みを効かせて対峙したところ、襲っては来ませんでしたが、一定の間隔をキープしながらつきまといの被害にはちゃんと合いました。
両手をあげたり傘をさしたりといった対策も有効なようです。お困りの方は試してみてはいかがでしょうか。それにしてもせっかく引っ越しして周囲の環境にも慣れて生活が楽しくなってきたところでこんなことがあると、気分が落ち込んでしまうものです。早く営巣の時期が終わってほしい...
釣行データ
天気と気温
- 晴れ
- 現地最高気温28℃
釣った魚(尺以下は約寸)
- 虹鱒2匹(35cm、約30cm)
- ウグイ5匹(最大約45cm)
確認した野鳥
- マガモ
- クロツグミ(鳴)
- コゲラ(鳴)
- ウグイス(鳴)
- アオジ(鳴)
- カワガラス
- キセキレイ
- ハクセキレイ
- イソシギ
- オジロワシ
- ノスリ
- トビ
- ハシボソガラス
- キジバト
- モズ
- ホオジロ
- ムクドリ
- イワツバメ
夕張川上流、シューパロ湖の長いトンネルを過ぎたあたりから大きな橋が連続するのですがその一つでどうやら営巣しているらしく、20羽ほどのイワツバメが空中で採餌をしていました。(上の画像)
私は野鳥全般が好きですが、このツバメの仲間が頭上をものすごいスピードで飛び交いながらエサを取るシーンというものが大好きで、特にせっせと巣にエサを運ぶ様子を見ることができると、なんだかとても清々しい気持ちになるのです。その理由はわからないのですが、とにかくツバメの飛ぶ姿がほかの鳥に比べて好きなのです。
最初、ショウドウツバメかと思ったのですが、自宅に帰り撮影した画像を拡大してみますと、背の青と腰の白がはっきりとわかったのでイワツバメだと判明しました。
オジロワシは夕張川沿いで営巣しているかもしれません。普通は冬鳥として越冬するために北海道へやってくる鳥なのですが、大きな川の近くの草原に立つ大木や河畔林に巣をつくり繁殖することも多くあります。石狩川下流エリアが有名ですが夕張川でも繁殖をしている可能性を知れたので、新しい知見を得ることができました。
あと何気にノスリも今シーズン初となりました。オジロワシがカラスに襲われているさらに上空をゆったりと旋回して、まるで他人事のように観察しつつ悠々と舞っているのが印象的でした。明日は我が身ぞノスリさんよ。