前髪が中2男子ばりに長くなってきてうっとうしくなってきました。そろそろ切らねばなと(私は自分で髪を切る)思いつつ面倒なので放っておいたらいい加減カートコバーン、じゃなくて永野さんみたいになってきました。
今回は石狩当別方面からぐるっと魚と鳥を求めて無分別に巡ってきた記録です。
マクンベツ湿原
釣り欲を前面に出して前のめりでロッドを振ると釣れる魚も釣れなくなるという私的迷信から釣り場に直行せずに、まずは焦る気持ちを抑えて震える手で双眼鏡とファインダーをのぞきこむことにしました。
訪れたマクンベツ湿原は堰堤上の道路があるくらいであまり整備がされておらず、観光客や親子連れ等が来ない場所なのでゆっくりと野鳥の姿と声を楽しむことができます。見下ろす形で観察できるので非常に見やすく初心者の方にもお勧めのバードウオッチングスポットです。
石狩川の河口すぐの最下流に位置し三日月湖である茨戸川と本流との間にできた三角州のような場所で、半分をゴルフ場という非常に下衆なものに変えられてしまっていますが、それでも今なお手つかずの湿地と河畔林が残されています。もしこのゴルフ場がなければ...と通るたびに思ってしまいます。
詳しくは下部の釣行データに記しますが、繁殖期も終わりに近づきつつあるこの日も多くの鳥を観察することができました。その中でも嬉しかったのは上の画像のノゴマでしょうか。紅金色に輝く”よだれかけ”、さえずり時のその姿態の美しさ、どれをとっても草原の主役たる要素を余すことなく備えた一等の野鳥です。某アオジニキとは格が違います。
さぁ撮ってくれと言わんばかりにたくさん出てきてくれました。一般的にそこまでレア種ではないとの認識で、水辺に近い草原なら観察できるんやで~とガイドブックなどでは紹介されていますが、個人的見解になりますがその分布はかなり局所的だと感じます。札幌圏だとこの石狩川下流エリアに固まって飛来してくる印象です。
ほかにオオジュリン、ホオジロ、ホオアカ、ノビタキ等を観察し、いい加減手の震えが野鳥観察にも支障をきたすレベルになってきたので釣り場に向かうことにしました。
当別川支流
釣れないときこそ釣り人の真価が問われるものだと思います。いきなりこんなことを書くということは釣れなかったということです。
どこで見切りをつけて引き上げるか、その判断こそ釣り人のレベルに直結するコトガラです。あなたは知らないかもしれませんが実は時間は有限なので、釣れない川でいつまでも無為にロッドを前後左右させるわけにはいきません。かといって粘れば意図せず大物に出くわすこともあるから非常に難しい選択なんです。
私はそういう時「兆候」を大切にします。
言い換えればただのカンです。このカンは過去の経験に基づき判断されるものでやはり”総釣行時間”が長い人ほど優れたカンを持っているものだと思います。ということで私の”カンピューター”(すっかり聞かなくなりましたね、このおやじギャグ)を頼りに次々に当別川支流をむさぼっていきますが、小さな魚が毛ばりをからかいに来るのみで、本格的なアタリはほぼありません。
水量が回復しないまま夏の渇水期に突入してしまい、どの支流も河原の石はカラッカラに乾いて悪臭を放っています。水は淀み早春のあの鮮烈さは見る影もありません。おそらく毛ばりに集まる小魚もウグイの稚魚なのでしょう。
全身に毛虫をくっつけつついくつかの支流に降りてみましたが状況は好転せず、諦めて道々28号を先へ進みます。
徳富川本支流
徳富川本流の水量はほぼベストという感じで期待も膨らみますが、目ぼしいスポットにコツコツと毛ばりを落としていくもアタリすらなく、おそらくどこかに集団で疎開でもしているのでしょう。
1時間粘ってアタリの一つもないとさすがにこちらの忍耐も限界に達し支流に移動します。その支流もシーンと静まり返り魚の気配すらありません。魚はどこに行ってしまったのか。
この日最高気温は30度に達するかという涼しい今年の夏にしては暑い一日で、今シーズン初めてウェット装備で出かけましたが、やはり楽です。
私の安いウェーダーはまるでサウナスーツを着て歩いているかのごとく、外部からは熱を取り込み、内部では私が発する熱と湿気は見事に閉じ込めるので、下半身だけげっそりと痩せそうなほどベッチャベッチャになり、それに比例して体力を奪われていきます。
ウェットは最初こそ「ちゃっけーなー」とぶるっときますが、上着でうまく体温をコントロールできればやはり圧倒的に楽だし機動力も上がります。でも8月下旬までがいいところで、それ以降はどちらかというと寒く感じることがほとんど、というのが北海道の渓流です。
川をあっちこっち変えて何とか釣りになる最近アツ目の川で坊主を回避するべく必死こいて釣りを始めると、さっそく重たいトルクフルなアタリがありました。
立て続けに2匹の尺前後のニジマスを釣り上げスレスレ坊主回避に一息つきました。
今日は釣果に関してはさんざんでしたが、その分を鳥見で挽回できたのでトータルで見るとよい一日となりました。
あ、でも、フォーセップを最初の魚を外した時にどこかに忘れてきてしまったようで紛失してしまいました。4~5年使ってきて手に馴染んだものだったので残念です。必需品なので次回の釣行までに手に入れないといけません。良いものに巡り合えるといいのですが。
そして早めに帰宅
帰路は私を散々愚弄した川への恨みを込めてビートルズの Don’t let me down を歌いながら重たいハンドルを握りました。いや、あの歌は男女のことでしょうけど。言わずもがな超名曲です。
ビートルズと言えば、私が子供の時分は学校の先生は個性を今よりもゴリゴリに出してもどこからも苦情の来ない時代だったので、特に音楽と美術の先生あたりは奇人変人の掃きだめの様相を呈しておりました。中3の時なんかは新卒の社会の先生以外はすべてヤバイ人たちでした。悪い意味で、です。
さて彼らはステレオタイプにビートルズ推しであることが多く、よくわけもわからずに Yesterday なんぞを歌わされたものです。
立派なおっさんとなったかくいう私も人並みにビートルズが好きです。ほとんどの曲を口ずさめる程度には知っています。そして英語も人並みに好きなので、今までの読書や情報収集というバックグラウンドから生じるであろう英語特有の意図と響きの美しさも、人並みには知っているつもりです。そして楽典も大人になってから人並みにかじっているので、そのビートルズ楽曲の奇抜さと普遍性を時代背景を交えて理解することも人並みにできると思います。
このように、人並みに背景と英語と音楽に触れ学んだおっさんになって初めてビートルズの楽曲を深くしみじみと味わうことができるようになるものであって、それを往時の私のようないわゆる”クソガキ”にいくらその素晴らしさを説いたとしても理解できるはずがありません。それはキッカケを与えるよりもむしろ忌避感を植え付ける恐れもあるでしょう。
学校の先生は相手が共鳴しているか理解しているか一向にかまわず、自分がしゃべりたいことを一方的にしゃべり気持ちよくなる連中が多いので、このような押し付けに拍車がかかり授業は恐ろしく退屈なものになっていくと私は大人になり振り返って初めて合点がいった次第です。実は「教壇」とは恐ろしい場所だったりするのだと。
学校教育に対する不平不満は語りだすと紙面を大幅に割くことになるのでこの辺にして、今日の釣行は総括ということにさせていただきます。ランディングネットがあほみたいに臭いので早く洗いましょう。
釣行データ
天気と気温
- 晴れ時々曇り
- 現地最高気温29℃
釣った魚(尺以下は約寸)
- 虹鱒2匹(約30cm×2)
確認した野鳥
- クロツグミ(鳴)
- ノビタキ
- コゲラ(鳴)
- ウグイス(鳴)
- アオジ(鳴)
- カワガラス
- キセキレイ
- ハクセキレイ
- ニュウナイスズメ
- トビ
- ハシボソガラス
- キジバト
- ホオジロ
- ホオアカ
- ノゴマ
- オオジュリン
- ヒバリ
- ヒヨドリ
- オオルリ
- オジロワシ
ほとんどがマクンベツ湿原で観察した野鳥です。それで満足したのですがさらなる幸運が徳富川支流で待ち受けていました。それは上の画像、オオルリです。
渓流域に飛来する夏鳥で、さえずるときは見通しの良い枝先(ソングポスト)にとまりその美声を水音と木々のざわめきに同化させます。昨シーズンは結局一度も姿を見ることができなかったこともあり、今シーズンは出会えること、そしてあわよくば撮影することを願っていたのですが、それがあっさりと叶ってしまいました。
鳥に関しては私はもうすっかり満足しました。最高のシーズンとなりました。いつ死んでも悔いはない。
ですが釣りに関してはちょっとまずい状況になりつつあります。
釣果が上がらないばかりか、虹鱒とウグイばかりの紙面となってしまっています。山女魚を狙って釣るにはちょっと遠出をしなければいけないのでアレですが、せめて大型の岩魚を混ぜて紙面をにぎやかにしたいと願ってやみません。
そんなわけで次回は岩魚、あわよくば山女魚を狙っての釣行にしたいと目論んでいるところです。