いつでもきれいな自転車で、さっそうと街を走り抜けたいものです。そのためにはある程度じっくりメンテナンスをする必要がありますが、なるべくラクに済ませたいところ。
一度手順を覚えてしまうと、そんなに気負わずに気楽にメンテナンスをすることができるようになります。その手順をこの機会に覚えてしまいましょう!
クロスバイクのクリーニングとメンテナンス
![](https://kita-tenkara.com/wp-content/uploads/2022/05/IMGP5241.jpg)
私は以下の順序でクリーニングとメンテナンスをしています。ほかのブログや専門店の動画なども参考にしつつ、あくまで参考程度としてください。
- ギアを重い組み合わせに
- ブレーキを開放する
- 車体をひっくり返す
- 車輪を外す
- ブラシを使って汚れを丁寧に落とす
- 水ぶきをする
- KURE5-56で磨き上げる
- 車輪を付けて車体を起こす
- 各ネジの増し締めと調整
- ブレーキの調整
- チェーンの注油
ギアを重い組み合わせにする
クリーニングの作業は車体をひっくり返して行うのですが、その前にやらなければいけないことが二つあります。
まずは変速機(ギア)を前後とも重たい組み合わせにしましょう。なぜこんなことをするのかというと、作業がしやすいことと、車輪の脱着時に間違ってほかのギアに合わせてしまわないようにするためです。
ブレーキを開放する
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ブレーキの開放は上の画像の引っ掛かりを解除することで簡単に行うことが可能です。
これを行う理由ですが、ブレーキがタイヤに引っ掛かって車輪を外すことができないからなんです。開放するとこんな感じになって、ブレーキがめっちゃ開いた状態になり、車輪をすんなり外すことができます。
![](https://kita-tenkara.com/wp-content/uploads/2022/05/IMGP7308.jpg)
ちなみに、一部車種ではこの「ブレーキの開放」を行っても、タイヤが引っ掛かってしまいます。ホイールに対して極太のタイヤをはいている場合などです。
私のGIANTグラビエは、ギリギリタイヤを外すことが可能です。本当にギリギリ、ブレーキの隙間を少し押しながら通過させることができます。
どうしてもブレーキにタイヤが干渉して車輪を外すことができない場合は、タイヤの空気を少し抜いてあげる必要があります。当然作業が終わって組み立てた後に空気をもとの状態に戻してあげる必要があるため、手間ではありますが。
車体をひっくり返す
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さて、準備ができたら自転車本体をひっくり返してみましょう。クロスバイクやロードバイクなどのスポーツ車はハンドルとシートを地面に置く形でひっくり返すことが可能です。
ひっくり返す際は、サドルの下のタテのパイプと、フロントフォーク(前輪を支えているパイプ)を握って手前に1回転させる要領で行います(赤の丸の部分を持つ)。変な持ち方をすると、指を挟んでしまうこともあるので十分に気を付けてください。
ひっくり返すとグリップとサドルが地面につくことになります。当然アスファルト上で作業をする際には、グリップやサドルが傷むことも考えられるので、事前に何かを履かせておくとよいでしょう。
私はグリップには軍手を履かせ、サドルが設置する部分には雑巾を寝かせておくようにしています。
車輪を外す
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ひっくり返すことができたら、車輪を外します。アーレンキー(六角ボルト)で回転軸についているネジを緩めていくと、簡単に外すことができます。レバータイプの場合はレバーを起こして少し回すと車輪を外すことができます。
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前輪は簡単なのですが後輪はちょっと難しいです。変速機をくいっとひねって車輪を上に持ち上げるようなイメージです。以下のジャイアントショップのページを参考にしてください。
ブラシを使って汚れを丁寧に落とす
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車輪を外すことができたら、まずは各部分についた泥や砂を落としていきましょう。ひっくり返した状態だと、車体裏に付着した地面から跳ね上げた泥や砂を簡単に落とすことができます。
自動車の洗車に使うブラシ、たわしなどを使うとよいでしょう。最も効果的なのは使い古した歯ブラシです。
チェーンやギア周りの汚れも歯ブラシを使えばかなり落とすことが可能です。おすすめは堅めの歯ブラシ。ちなみに、実際の歯磨きでも私はバリバリに堅いものをおすすめします。どうでもいい話ですが。
ということで各部分の泥汚れを落としていきましょう。気を付けてほしいのは、クルマの洗車のようにバシャバシャ水をかけないこと。ちょっと考えるとわかると思いますが、クルマと違って自転車は、ギアなどの駆動に関する部分がむき出しになっているので、水をかけてはいけないわけです。
水ぶきをする
ブラシで汚れを落としたら今度は水拭きをします。硬く絞ったボロキレ(タオルみたいに起毛しているタイプではなく、シーツやTシャツのようなものがよい)でパーツを拭き上げていきます。
手が届かない部分は、お風呂で背中を洗う時の要領で、ボロキレを両手でつかんでごしごししていきましょう。
汚れを放っておくと、錆の原因になるし、こびりついて取れなくなったり本体に色が沈着してしまうことになるので、徹底的にきれいに落としていきます。取り外したタイヤも同様に、スポーク一本一本きれいに汚れを落としていきましょう。
KURE5-56で磨き上げる
ブラシを使い泥汚れを落とし、水拭きできれいになったら、今度は乾いたボロキレにKURE 5-56をしみ込ませて、車体を磨いていきます。リンク
皆さんご存じのように、KURE 5-56には防錆剤が含まれています。錆落としにもなると言っていますが、そちらの効果は薄いように感じます。
年に一度、シーズン初めに各パーツを磨いておくだけで、ほぼほぼ錆びることはありません。手が届かないところはノズルを使って吹きかけてボロキレでぬぐいましょう。
ちなみに、塗装されている部分を拭いても塗装が劣化するといったこともありません。あくまでも表面にうっすら油膜を作っておく、といったイメージで染み込む感じではないので安心してください。
KURE556を使用する際には以下のことに気を付けてください。
ブレーキ周りには吹きかけない
ブレーキパットの部分にKURE556が付いてしまうと、よく滑ることになってしまって大変なことになります。
チェーンには吹きかけない
そしてチェーンには専用のオイルを使うのでKURE5-56の出番はありません。
清掃が終わったらするべきこと
各ネジの増し締めと調整
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車体と車輪の清掃と”KUREみがき”が終わったら、車輪を取り付けて車体を起こします。
そしてひっくり返した状態では磨くことができなかった部分を磨いていきましょう。
しっかり増し締めをしなければいけないところは、スキュワーナット(ホイールを固定しているナット)、ハンドル周り、サドル周り。
締め付け過ぎに注意なのは各ワイヤーを挟んでいるネジ、機能に関係しているネジ(ブレーキ周辺、変速機周辺)です。
それぞれに締め付け強度が設定されているので、強度の設定が可能な電動工具で行うか、慣れないうちはショップで見てもらうこともおすすめです。
慣れてきたら感覚で締め付ける強さがわかってきますので、すべて自分でできるようになるはずです。
ブレーキの調整方法
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最初に下の画像のバネの部分にKURE556をします。横についているネジを回すとブレーキの調整ができるようになっているのですが、ここが固着していて全く効かないことがあるので先にバネ部分にKURE5-56をしゅっとしておきます。
くれぐれも、ブレーキパットにかけてしまわないように注意しましょう。裏にボロキレを当ててからスプレーすると確実です。
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ネジを回す方向によって、ブレーキが車輪に近づいたり離れたりします。ネジを締めるとブレーキが車輪から離れていき、緩めると車輪に近づいていきます。感覚とは逆になるので注意してください。
そして、ネジを回した後ブレーキレバーを一度にぎると、ネジを回した分の変更が反映されます。両方のパットが同時に当たっているか見てください。この調整でうまくいかない場合はブレーキ本体のスペーサーを調整しなければいけません。
チェーンの注油について
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チェーンは定期的に注油をしなければいけません。
チェーンカバーがついていないスポーツタイプの自転車は、ママチャリに比べて放っておくとすぐに雨水や汚れがついてさびてしまいます。
漕いでいるときに少しでも音がしてきたら、注油のタイミングとお考えください。
先ほども少し触れましたが、KURE5-56でチェーンオイルの代用はできません。チェーンオイルはそんなに高いものではないので必ず専用のものを使うようにしてください。
チェーンオイルには大きく分けると2種類があります。
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緑のボトルのベトベト系は粘度の高いオイルを使用しています。長持ちとするのが特徴ですが、汚れが付着しやすいのが難点です。普段から外置きであまりメンテナンスに時間をかけたくない人におすすめ。
そして長期の旅行をお考えの方もこちらのオイルを出発前に塗布しておくと安心です。以下に紹介するサラサラタイプだと、雨中に漕ぐとあっという間にオイルが落ちてしまいます。
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赤いボトルのサラサラ系は粘度が低いオイルを使用しています。長持ちしない代わりに、汚れが付着しにくいです。屋内に保管できて、頻繁にメンテナンスをする人におすすめ。
私はサラサラ系を使って頻繁にブラシによる清掃と注油をするようにしています。ライフスタイルに合ったものを使うようにしてください。
個人的には断然サラサラ系をおすすめします。その理由は、清掃がとても楽だからです。清掃をするためのパーツクリーナーなども必要なく、歯ブラシなどごしごしすれば簡単に汚れが落ちてくれます。
サラサラ系のオイル(120ml)は、シーズン中に数回使用しても3シーズンは十分に使うことができます。お買い得ですね。ちなみにこのオイルのボトル、開け方がちょっと変わっているので気を付けてください。開封するためには押しながら逆に回す必要があります。
まとめ:きれいな自転車で出かけよう!
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今回はクロスバイクのメンテナンスについてのお話でした。
やり始める前はなんだか面倒に感じるメンテナンスですが、一度始めてしまうと楽しい作業ですし、何より作業が終わると気持ちが良いものです。
アパート住まいなどの理由でご自宅に作業スペースがない方は、近所の公園に出かけてメンテナンスをしてみるのもいいと思います。私はバケツに必要なものを突っ込んで近所の公園へ出かけます。
※ブレーキ周りの調整や車輪の締め付けに不安がある方は、専門店で見てもらうようにしてください。また、メンテナンスは自己責任で行ってください。