テンカラを始めてみたいけど、仕掛けの作り方、実際の釣り方がわからない!
そんな方へ、イラストを使って準備から実際の釣りまでをわかりやすく解説いたします。私はルアーからテンカラに切り替えて7年目(2023年時点)。今ではすっかりテンカラの魅力に取りつかれて渓流を歩き回っています。北海道のニジマス、アメマスやイワナ、そして何より渓流の流れの中に身を置くことが最大の楽しみです。
ぜひ皆さんにもこの釣りの魅力を知っていただきたいと思っています。
テンカラの仕掛けを作ってみる【必要なもの4つ】
- テンカラロッド
- レベルライン
- ハリス
- 毛ばり
この4つが必要になります。
そしてそれらを上図のようにつなげて仕掛けを作ります。とてもシンプルです。それぞれの役割とお勧めの商品について、以下で説明していきます。
テンカラロッド
ダイワ、シマノ、もしくは宇崎日新の3.6メートルをお勧めします。
なぜ3.6mなのか。その理由ですが、それより長くても短くても振りにくいからです。テンカラはほかの釣りに比べてキャスティングの回数が格段に多くなるので、ストレスなく振ることができる長さを選びましょう。
また3.6mは最上流から中流域まで幅広く対応が可能な長さとも言えます。今後ご自身のスタイルが固まったら長いものや短いものにチャレンジするとよいでしょう。3.6mは最初の一本として間違いがない長さだと思っています。
私は Daiwa の Neo Tenkara 3.6 を愛用しています。この商品は現在品薄になっているようでネット上ではあまり見かけません。地元の釣具屋さんに案外あるかもしれないので探してみてください。丈夫で粘りもある良いロッドです。
シマノだとこの辺りがおすすめです。
安価なものだとこれが良いみたいですね。
レベルライン
釣具屋でテンカラレベルラインと書かれた4号のものを購入してください。そんなに種類は無いはずです。蛍光色のものが見やすいです。
レベルラインとは、太さが均一な糸という意味です。テンカラにはテーパーラインというものもありまして、そちらは先端に向かって細くなっていくラインのことです。
テーパーラインはラインの重さで飛ばすのでフライに近い操作感となり、逆にレベルラインは細くすることができるので空気抵抗が減り、風などに影響されにくく、いつでも同じようなキャスティングを可能にしてくれます。最初はレベルラインをお勧めします。
めちゃくちゃ見やすい初心者の味方、ぶっとびテンカラ
視認性ではサンラインに劣るが、こちらも使いやすい。
ハリス
こちらはテンカラ専用というものでなくても大丈夫です。ハリスとして販売されているもの、メーカーによっては○○リーダーとかただ単に○○テグスとか書かれている商品になります。
必要な長さ一回につき50センチほど使うことになります。10メートルもあれば半シーズンは使うことができるでしょう。
なので同じ価格なら、50m巻きよりも10m巻きを買ったほうが無難でしょう。価格は5倍ということになりますが、ハリスに関しては品質の良さを優先させたほうが後悔しません。
対象魚が40センチを超える方は1.5号を選びたいところですが、一般的に太くすればするほど魚に見破られやすくなるとも言われているので、バランスの良い太さをご自身で見つけてください。
素材はフロロカーボンとナイロンが主流です。これは個人の好みによるところが大きいのですが、初心者の方はナイロンをおすすめします。
ナイロンは結びの失敗が少なく伸びるので、バラす(魚を逃がす)可能性が少なくなります。
やはりテグスは山豊
毛ばり
最初は釣具店で完成品を買うのが良いでしょう。ヤフオクやメルカリで自作の毛ばりを販売している人もいます。そちらのほうが安く高品質なものを入手できることもあります。
ヤフオク、メルカリで「テンカラ毛ばり」で検索してみてください。
最初は飛ばしやすい毛ばりを選ぶようにしてください。飛ばしやすい毛ばりというのは、要するに空気抵抗の少なそうな毛ばりということです。
同じものがたくさん入っているセットよりも、いろいろな種類が入っているセットを購入するとよいのではないでしょうか。
いろいろこだわりたくなりますが、毛ばりはそんなに重要ではありません。魚がいて、その魚にやる気があれば釣れます。虫っぽい見た目であればどんな毛ばりでも構わないのです。
なお自作については以下で詳しく解説しています。自分で巻いた毛ばりで魚を釣ったときの感動は今でも忘れられません。ぜひトライしてください。
以上がテンカラに必要な、ロッド、ライン、ハリス、毛ばりについての説明となります。ロッドが12000円ほど、ライン、ハリス、毛ばりで3000円程度なので、タックルについては15000円あれば十分に良いものがそろえられるでしょう。
【切れない簡単】仕掛けの作り方・結びかた
さて、用意したテンカラロッドとライン、ラインとハリス、ハリスと毛ばり、をそれぞれ結んでいきます。
仕掛けの全長がロッドの長さと同じになるのが基本です。(これとても大事)
障害物が少なく川幅が広い時にはやや長め、障害物が多く狭い流れではやや短めとします。
最初はロッドの尻に毛ばりがぴったりくるくらいでOKです。
テンカラロッドとラインを結ぶ
テンカラロッドの先端に赤い糸が付いています。これをリリアンと呼びます。
リリアンにこぶ(普通に一回結んだもの)を作ります。(イラスト左側1.2)
ライン側は上図のように結び、輪を作ります。(イラスト右側3.4.5.6)
ラインの先端に作った輪にリリアンを2回通した状態で輪を締付けます。(イラスト下7.8)
ラインはコブ側に寄せてまとめておきます。余ったラインをカットし、少し引っ張ってみてほどけないか確認します。
ラインとハリスを結ぶ
レベルラインは長さ3メートルほどでカットします。ハリスとの接合側は先端に8の字結びをしてコブを作っておきます。(イラスト1~3)
ハリスは1メートルほどでカットしておきます。先端を折り返し2重にして普通結びを2回くぐらせたもので輪を作っておきます。輪の大きさは1.5センチほどでよいでしょう。(イラスト4~8)
ラインとハリスを上図のように引っ掛けるように接続します。(イラスト9.10)
ハリスは上下に動きますが、ライン先端のこぶに引っ掛かるような形になって抜けません。ライン、ハリスともに余った部分をカットします。なお、根掛かりなどで強く引っ張ったときに少し締まるので、カットをする際は少し余裕を持たせて5ミリほど残しておいてください。
ハリスと毛ばりを結ぶ
ハリスの先端を毛ばりのフックの輪に通し、それをもう一度戻して輪を作ります。(イラスト1.2)
その状態で普通結びをゆるめに作り、できた輪を毛ばりにくぐらせます。(イラスト3.4)
先に本線側をゆっくり締め付け、その後に余った側をゆっくり引いて締め付けて完了。(イラスト5.6)
5ミリほど残して余ったハリスをカットしておきます。なお、締め付ける際は口に含むなどしてラインを少し湿らせましょう。
この結び方はパロマーノットと呼ばれる、確実で強い結びです。この結びをテンカラで使う人はあまり多くないと思いますが、とにかく結び目が強くて安心感がちがいます。
毛ばりの毛を巻き込んでしまうので、一度口に含むなどして湿らせておくと作業がはかどります。
さてこれで、毛ばりの位置がロッドのお尻と同じ長さくらいになっているはずです。
要するに仕掛けの全長がロッドの長さと同じになるようにします。
さあ、これで完成ですね。出かけましょう!!
毛ばりの巻き方はこちらの記事を参考にしてください。
清流でテンカラを振ってみよう!!
最初は開けた場所で
河原に石があって、河畔林から離れているところで振ってみましょう。札幌市内で言うと豊平川のミュンヘン大橋より上流のような雰囲気のところです。このような環境だと毛ばりも見えやすいし、頭上の枝に毛ばりを引っ掛けることも少ないはずです。
最初は釣果を期待せずに、自分が流したいところに流せているかを確認しながら、練習だと思って気楽に振ってみてください。
木や藪に囲まれて、流れが複雑なポイントは上級者向けですので避けてくださいね。そういったところで練習すると、周囲の草木に毛ばりを引っ掛けてばかりでイライラしてしまい、最悪テンカラが嫌いになってしまうので要注意です!
深みではなく、浅くて白波が立っているところを狙う
ルアーや餌釣りをしていた人にありがちなのは、ついつい深みや淀みを狙ってしまうことです。テンカラでは比較的浅く、流れが早歩きほどの速さの、白波が少し立っているようなところに繰り返し流してみてください。いわゆる「背」の部分です。
なぜかというと、あまり沈まないテンカラ毛ばりに有利なポイントで、ルアーや餌釣りでは攻めにくいポイントなので、釣れる確率が高くなるからです。
曇っていて風がない日を選ぶ
慣れないうちは極力良いコンディションで釣りを楽しみましょう。
難しいコンディション、要するに快晴でレベルラインが良く見えなかったり、風が強くて全くラインが飛ばないような日にテンカラをやると、ベテランでも気が滅入ってしまいます。で思うようにロッドを振れず、何をしているのかわからないといったことがないように、曇りで風がない日を選んで釣りに出かけてください。
そして、可能ならフライやテンカラの経験者に同行してもらい、釣らせてもらってください。経験者はポイントへのアプローチの仕方、魚の有無、どの流れに落としてどこで食わせるかを熟知しているので、それを教えてもらいましょう。
余裕のある釣り人は、初心者に優しいので大丈夫です。甘えましょう。
キャスティングについてはこちらの記事も合わせてお読みください。