釣りと呼吸~緊張と興奮を抑えて釣果を最大化する

渓流釣りをしていると、どうしても緊張や興奮、焦りを感じて呼吸が浅くなりがちです。

そうなると冷静さを欠き釣果が上がらないばかりか、最悪の場合頭痛を起こしたり、間違った判断からケガや遭難につながることも考えられます。

この記事では呼吸をコントロールすることの大切さと実践方法についてお話をしていきます。

※なお私は呼吸の専門家ではないので、実践法については専門書も必ず確認するようにしてください。

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なぜ釣りにおいて呼吸が大切なのか

いずれの釣りにおいても、落ち着きとそこから得られる冷静な判断力は重要だと思います。

実力のある釣りびとは落ち着いている人が多い印象です。そして彼らは呼吸が深く安定していて姿勢が良い、私はそのように感じています。

姿勢が悪く呼吸が浅い人は、釣果にも恵まれない印象です。これは私のことでもあります。だから意識して改善したいと思ってきました。

普段呼吸は無意識に行われます。しかし意識をすれば自分でコントロールができるものです。

焦りや緊張を感じていると、浅く早い呼吸になり、逆にリラックスしたり集中をしているときにはゆっくり深く、時には止めているもの。それを利用すると言ったらいいでしょうか。リラックスしたいときには、その時にしている呼吸を真似ればいいということです。

マインドフルネスの手法も同様ですが、深い呼吸から得られる生理的な効果(脳と血液に酸素を供給する)と同時に「呼吸に集中する」という行為が瞑想に近い、頭をクリアにする作用を与えて疲れた頭を癒し思考力を回復させることができるのです。

ヨガ、気功、太極拳から学ぶ

ヨガ以外にも呼吸に重きを置いている教えはありますが、おそらく最も古くて実践的なのはヨガだと思います。気功や太極拳も動きと呼吸を一体化させてパワーを得るものですよね。

私はヨガを長いことやっているのでその方法を用いていますが、他も基本的なことは同じはずなので、方法はなんでもいいと思います。

普段やっている呼吸法を採用してください。

ちなみにヨガの場合は端的に言うと、アーサナというポーズをとるために体を動かしていきますが、体を開くときに吸って、体を縮めるときに吐いて、目指すポーズに行き着いたらそこで深い呼吸で姿勢をキープします。

ここでは詳しく触れませんが、ヨガではアーサナの完成度よりも、呼吸の継続の方が大切と言えるくらいなのです。よく超人的なポーズを決めた姿がヨガ実践家の象徴として取り上げられますが、それらはあくまでも副産物であって、本来の目標はリラックスにあるのです。このまま話し続けると終わらなくなるので、ヨガについてはこの辺でやめておきます。

基本的な呼吸法

どの実践においても共通する深呼吸のきほんというものがあります。

よく2時間ドラマのオープニングなどで見る、これから事件を目撃する俳優さんが開けた山の上で両腕をいっぱいに伸ばして「あぁ!気持ちいー!」とやる、あれは間違った方法です。

以下が共通する基本でございます。

  • 背骨をまっすぐにする
  • 鼻で呼吸をする
  • おなかで呼吸をする(腹式呼吸)
  • ゆっくり深く静かに

鼻で呼吸をする理由ですが、これは鼻というフィルターを通し空気を浄化し温める効果を期待してのものです。鼻の奥の壁に冷たく新鮮な空気が当たることを意識しながら吸いこみましょう。

腹式呼吸なんですが、おなかを膨らませながら空気を入れていく、そういうイメージで間違いないのですが、その後が肝心です。おなかが膨らんだら肺、鎖骨、体の全身に空気が充満していくイメージをしてください。そうすることで吸い終わる頃にはおなかは少し凹んでいるはずです。

呼吸はゆっくり静かに行います。

最初に触れましたが、両手をあげたり、ラジオ体操の出だしの深呼吸の動きをする必要はありません。唯一守るべき姿勢に関することは、背骨を伸ばすことです。あとは座っていても立ったままでも構わないので、ひたすらリラックスをすることを考えましょう。

鼻が詰まる人はどうすれば?

ちょっと話が脱線しますが、常に鼻が詰まっている人はどうすればいいのだろうか、という話です。

少し長くなるので、普段から鼻の通りが良い人は次の項に飛んでください。

さて、私はちょっと汚い話ではありますが、幼いころから鼻詰まりがひどく、いつも口呼吸をしていました。鼻のなかはいつもハナクソとハナミズで一杯というわけです。

口呼吸には様々な弊害があり、生活面に大きな悪影響を及ぼします。

でも、自分だけが口呼吸をしている、それが異常だなんてなかなか気がつけないものです。本当の呼吸は鼻で行うということをヨガを始めてから知って、何とか鼻詰まりを改善させたいと思うようになりました。

いろいろな方法を試しましたが、効果があったのは以下のことです。

  • 鼻腔拡張テープ
  • 就寝時の口テープ
  • こまめに鼻かむor洗う

特に効果があったのは、就寝時の口テープです。専用のテープは高いので私はマスキングテープを使っていますが、ただ就寝時に口をふさいであげるだけです。その前にできるだけ鼻の通りを良くしておきます。

苦しくなって自然にテープを剥がしてしまっていることもあるでしょうが、諦めずに継続すると、朝まで鼻呼吸を続けることができるようになります。こうなると、日中も口を閉じることが普通になります。

一度空気が通る習慣がつくと、鼻くそや鼻水をたまらなくなります。だから上記の方法いずれかを使って、空気が通ることを鼻に意識付けさせましょう。

フィールドでの実践

まずは全力でリラックスすることを考えます。

ウェーダーを脱いだり、日陰の岩に腰掛けたり、水分を取ったり、なんでもよいので自分が最もリラックスできる状態になりましょう。これは各人違っていて当然かもしれません。

タイミング的には、食事の前、用を足した後、などがベストでしょうか。

背骨をまっすぐにして、まずは息を吐き切ります。普段の吐く動作の後に、さらにフゥ、フゥ、フゥーーと体の中の空気をすべて吐き切るイメージでしっかりと吐きます。すると意識しなくても自然に空気が肺に流れ込んでくるでしょう。

吸いこみは自然なスピードでOKです。特段ゆっくりやる必要も、音が出るほど素早くすることもありません。先ほどの基本にのっとり、おなかで息を吸います。

少し止めてからゆっくり吐き出していきます。吐く動作は意識してゆっくり目に行います。そして先ほどの要領で最後にふっふっふぅーと吐き切る。そしてまた、自然に空気が流れ込むように吸い...を繰り返します。

イメージが大切。目を閉じ呼吸に意識を集中し、新鮮な酸素がおなかに、肺に、鎖骨に、そして体全体に広がっていくイメージで吸い、吐くときは体の老廃物が息とともに出ていく、そんな感じです。

回数は何回でも構いません。慣れないうちは1~3回でも十分でしょう。慣れてくると気持ちがよくなってきて自然と長時間行えるようになります。むしろそのまま寝てしまわないように注意が必要です。

フィールドでこの呼吸法を試して、昂った心を落ち着け頭の中をリセットするように心がけてください。次の一投で大物がかかるかもしれませんよ。

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