テンカラの楽しさはフィールドだけにとどまりません。自宅で静かに毛ばりを巻きながら、いろいろと想像するのもまた良いものです。
このページでは、最も簡単で釣果の高い毛ばりの巻き方を解説します。
テンカラ毛ばりの特徴
毛ばり、と聞くと多くの人がなんとなく想像はできると思います。
なんか毛が付いたハリ、それが正解です。
それを実際の虫に近づけたり、手工芸の要素を入れてあげるとフライフィッシングで使うフライとなります。
テンカラで使う毛ばりはフライのものとは違って、一般的に簡単で地味です。それには二つの理由があります。
一つは、本来のテンカラは川漁師の釣り方で、趣味として発達したものではないからです。
針を持っていき、現地に落ちている羽などの自然素材を使い、歯をうまく使って巻き上げたそうですよ。だからテンカラ原理主義の方は、その方法をお勧めします。
もう一つの理由は、魚にじっくり見てもらうことを想定していないからです。魚の反射神経を利用して釣りあげるのがテンカラです。これは言い換えると、毛ばりを落とす場所がとても重要ということになりますね。
さて、テンカラ毛ばりの特徴を理解したうえで、実際に巻いてみましょう。
最低限必要な道具
- タイイングバイス
- ボビンホルダー
- ハサミ
- 瞬間接着剤
- ハックルプライヤー(あると便利)
一つずつ説明していきます。
タイイングバイス
フック(針)を固定するために使います。ラジオペンチなどでも代用できますが、安価でよいものもあるので買ったほうがいいでしょう。
安価で十分使えるバイスを当ブログで紹介していますので参考までに。
ボビンホルダー
スレッド、要するにミシン糸をするする出すために必要です。自作することもできますが、買ったほうがいいと思います。
ハサミ
普通のもので代用可能です。だけど先端が細いほど使いやすいのでやはり専用のものを用意すべき。
瞬間接着剤
ホームセンターなどで売っている一般的なものでOKです。
ハックルプライヤー
ハックルをつまむためのもので、なくてもなんとかなります。
必要な素材
- スレッド(ミシン糸)
- ハックル
- フック
以下で一つずつ解説していきます。
スレッド
要するにミシン糸です。100均のものでOK。色は黒、茶、赤、白、この辺りを適当に選んでください。ボビンホルダーに装着して使います。
ハックル
鳥の羽もしくは羽毛のことをハックルと呼びます。
フライで使うハックルは多種多様なものがありますが、テンカラではそこまでこだわる必要はありません。よくダウンジャケットなどから飛び出しているような、あれくらいのサイズと質感をイメージしてください。
全長3センチくらいでちゃんと芯があり、羽毛が付いているものがまとめて一袋数百円で釣具屋やネットで売られています。安いもので十分です。
フック
釣り針のことをフックと呼びます。
糸を通すための穴(アイ)が付いているものを使用します。フライで使われるものと同じなので、お店のフライコーナーで見つけてください。大きさは#12前後を基準に選びましょう。形状や素材もいろいろありますが、あまり気にしなくてよいです。
以下に私が使っているフックのリンクを貼っておきます。
AXISCO AFB 075 ヘビーワイヤータイプで曲がりにくく、品質も安定していてお勧めです。私は#12を使っています。
【図で説明】巻き方の手順を紹介します
(1)バイスに固定したフックにスレッドを巻いていきます。アイ(先端の穴)の付け根からスタートし、隙間なく巻き付けていき、フックが曲がり始めるあたりで折り返します。これを1~2往復します。アイの付け根で終わるようにします。
(2)ハックルを添えて、3ミリほどの幅で2回ほど往復させ巻き付け、しっかりと1で巻いたスレッド上に密着させます。
(3)スレッドは切らずにそのままお尻方向によけておきます。タイイングバイスに引っ掛けてブランブランさせておくと便利です。
(4)本体に取り付けたハックルを巻き付けます。羽毛の量にもよりますが、2回ほどぐるっと巻き付けます。
(5)巻きつけたハックルの残りは(3)でよけておいたスレッドでフック本体に巻きつけてしまいます。お尻方向に飛び出したハックルの残りはハサミでカットし、その上にも仕上げでスレッドを巻き付けておきます。
(6)スレッドに輪を作り頭から通してハックルの後方の適当な位置でぎゅっと締め付けます。要するに縛るようなイメージです。
(7)縛ったスレッドを少し残してカットします。ここまでスレッドはカットせずに1本の糸のまま、ということですね。ここで初めてカットです。
(8)最後に切ったスレッド付近に瞬間接着剤を垂らし、余ったスレッドをフックに巻き付け馴染ませ、平滑にして完成です。
毛ばりを自分で巻いて釣ろう!
慣れるまでは細かい作業なのでうまくいかないこともあると思います。
ですが人間ですからそのうちに慣れて、早くきれいに巻けるようになるのでご安心を。
ここで大事なことを一つ。
毛ばりはきれいに作る必要はありません。魚は何か虫っぽいものであれば食いつきます。だから、少し汚くても大丈夫です。水中でほどけなければOK。
スレッドとハックルの色は自分の好みでよいと思います。
初心者の方は見つけやすいように白などの明るめの色、慣れてきたら虫に近い地味な色に変えましょう。ですが色は釣果に影響しないという意見が多いです。
毛バリは消耗品です。自分で巻くことをお勧めします。
自分で巻いた方が安いのはもちろん「自分で釣った感」が違います。
とりあえずテンカラを体験してみたいという方は、釣り具店で売られているテンカラ用(フライ用でもOK)毛ばりを購入してもいいでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。以下のページも参考にしてみてください。