ティペットごみについて、真剣に考えている人は多いと思います。わたしも川の環境に対しては真面目に考えていますので無視はできないコトです。
でも、です。実際のところその影響はどんなものなんでしょうか。ちょっと真剣にティペットごみについて考えてみましょう。
ティペットごみとは?
ティペットとは、フライフィッシングに用いられる言葉で、毛ばりを結ぶ細いラインのことを指します。
ルアーだとショックリーダー、もしくはリーダーと呼ばれています。こちらもメインのラインの先端に取り付けてショック吸収する目的です。
いずれもメインのラインは太すぎて魚にばれるので、毛ばりやルアーに近い部分は細い糸にしてばれにくくするという働きもあります。
他の釣りだとハリスと呼ばれます。こちらのほうがなじみがあるという人は多いかもしれません。私がやっているテンカラも、ハリスと呼ぶ人の方が多いかな。
まとめると、ティペットもリーダーもハリスも同じものと考えてください。そして、ここではその名称をティペットで統一させていただきます。
さて、このティペットなんですが、切れる前に頻繁に交換することが常識となっています。なぜなら、魚がかかったときに切れたら困るからです。当たり前と言えば当たり前ですよね。
だから、魚を釣った後とか、根掛かり(針を障害物に引っ掛けること)のあとなど、ティペットが傷んでいるかもしれないと感じたら、まだ使える状態でも取り換える人が多いのです。
そして、取り換える=ゴミが出る、ということになります。
そしてもう一つゴミが出る原因は、毛ばりを交換するときに出る5センチくらいのティペットの切れ端。
ティペットごみの問題とは、それら使わなくなったティペットの切れ端をどうするかという問題なんです。
ティペットは細くて目に見えずらくて、気を付けていてもついつい釣り場に落としてしまったりします。とてもマナーの良い釣り人は、わずかなティペットもフィールドに落とさないように気を付けています。
落とさない工夫
さて、そのティペットをいかに釣り場に残さないか、なんですが、その方法はいくつかあります。
わたしはショルダーバッグを手前に回して開き、そのうえで交換作業をしています。そして切ったティペットはそのままカバンの中に落とすようにしています。
これでほとんどのティペットごみはきちんと持ち帰ることができますが、バッグから何かを取り出したときに一緒に落ちちゃったりするので、完璧とは言えません。
他には、一つのポケットをティペットごみ専用にしたりする方法もありますが、この方法でも出し入れをしている最中に落ちてしまいますね。
回収については専用のアイテムもあるのでこちらで何点かご紹介しておきます。
個人的な考えと解決策
さて、なるべくティペットごみを出さないように気を付けていても、どうしてもちょっとは落としてしまうもの。
そんなときの考え方なんですが、ちょっとぐらい落としても気にしない、それしかありません。
河原を見ているとたくさんのごみが落ちています。あなたが落とすわずかな量のティペットゴミなんて、環境全体からしたら気にするような量ではないのです。
意図的に投げ捨てられたごみもそうですが、農業資材や土嚢袋などもたくさん河原の木に引っ掛かっているものです。それらから出る化学繊維の方が比較にならないくらい膨大です。
ティペットゴミが気になって釣りを楽しめなくなるくらいなら、いっそのこと気にしないほうが何倍も良いと思います。
ゴミ問題に関しては、そのほかの落とし物(ハサミ、毛ばりケース、ランディングネットなど)をしない工夫も大事です。道具のしまう位置を決めておく、コードリールにつないでおくなどのちょっとした工夫で紛失を防ぐことが可能です。
ということで、フィールでどうしても発生してしまうゴミについては、気にしすぎると精神衛生上よろしくないので、とくに環境意識の高い釣り人はあまり深刻に考えないようにしましょうね、というのが今回のお話でした。