フライフィッシングでは様々な毛ばりを使って魚を誘いますが、その中でも水面に浮かせて釣るドライフライが特徴的ですね。
テンカラでも浮かせて釣れないか、いろいろ試してみたその過程です。
テンカラドライ毛ばりを作る
普通、テンカラの毛ばりはソフトハックルを使いますが、浮かせるためにハードハックルを使って毛ばりを作ってみました。
そして、これだけでは浮いてくれないので、フライのようにフロータントを使う必要があります。フロータントとは、浮かせるための粉とかジェルで、私はジェルタイプのものを毛ばりに塗り込んで浮かせました。
水中に入るいつものテンカラだとナチュラルドリフトをあまり気にしない(気にしなくていい)のですが、プカプカ浮いているとやはり不自然に流れるのがこちらで見えてしまうので気になってしまいます。
手前の流れにラインを持ってかれたり、逆に緩い流れで毛ばりの動きが不自然になったり、毛ばり以外の要素が自然に流れるのを妨げます。
なので、いつも以上に毛ばりとハリスのみを水面につけることに注意しながら淡々とポイントに落としました。
ドライテンカラの問題点
実際に作ったドライテンカラ毛ばりをフィールドで何回か試しましたが、面白いように釣れました。ですがいくつか問題も出てきました。
- 沈みやすい
- 飛ばない
- 動きが不自然になる
フロータントは頻繁につける必要があって、非常に面倒に感じます。テンカラの良さはその手返しの速さにあって、数回キャスティングをするたびにフロータントで手を汚すのは、ちょっと違うように感じます。
そして、ハードハックルを使用していることによって空気抵抗がまして飛ばなくなりました。風がある日はまともに飛んでくれません。
先ほども少し触れましたがナチュラルドリフトも難しくなりました。フライのように豊富にラインがあるわけでもないので、どうしてもドラグがかかってしまい不自然な動きになってしまいます。
これらを解決するために、フォームを使った毛ばりを考えました。
テレストリアルドライテンカラ
なんだか舌を噛みそうな名前ですが、要するにフォームを使用した昆虫を模した毛ばりということです。
最初に作ってから数年が経ち、少しずつその形を変えながら現在は上の画像のスタイルに落ち着いています。
使用している素材は以下です。
- アキスコフックAFB075#12
- EVAフォーム
- スレッド(茶)
- 豚毛
詳しい制作方法は省きますが、見た目から判断できると思います。
この毛ばり、現在(2022~23)私のメイン毛ばりとして使われています。先ほど挙げた問題点をほとんど解決することができ、釣果も上々です。
見た目に大きく空気抵抗があるように見えますが、自重があるのでよく飛びます。そして、フォームの使用によってフロータントがなくても浮いてくれます。
色にもこだわりがあり、いろいろ試して結局黒に行きつきました。形状に関しては特定の昆虫を模したものではなく、要素をそれぞれ足したものにしました。
毛ばりには正解は無いと思っています。私は本やネットを見ずにあれこれひとりで模索して試してみて、結局この形に行きつきました。
私にとってこの毛ばりは、限りなく正解に近いものだと思っていますが、今後も少しずつ形も釣り方も変わっていくでしょう。それでいいと思っています。
あなたもオリジナルの毛ばりを考案して、フィールドで試してみてください。きっと魚たちは興味を示してくれるはずです。