難易度とシステム面の変更
敵の強さとレベルアップの調整
ピクセルリマスター版はSFC版に比べて全体の難易度がやや低下している印象です。SFC版はボスの強さよりも雑魚敵の強さやエンカウント率の高さが目立ち、プレイヤーにとってストレスの要因になっていましたが、今作では雑魚敵の調整が緩くなり、さらにオートモードが実装されたことで戦闘のテンポも非常に良くなりました。
また、レベルアップに必要な経験値が6割ほどになっている点も特徴で、サクサク進む雑魚戦のこともあってレベルが上がりやすくこれが難易度を下げている一番の理由でしょう。
加えて、戦闘から逃げる際のギルを落とす仕様も撤廃されたため、探索時の雑魚戦が非常に楽になりました。ただし、エンカウント率、不意打ち率、バックアタック率の高さについては、体感としてあまり変わっておらず、引き続きややストレスを感じる部分として残っています。
装備のアイテム使用効果の可視化
SFC版では、装備品を戦闘中にアイテムとして使用した際の効果が非常に分かりにくい仕様でした。例えば、「こおる杖」など魔法の効果があるものはその魔法のエフェクトを代用できましたが、ロッド(マジックアロー)などを使って攻撃した際のエフェクトは当時の画面からは伝わりづらいものでした。ピクセルリマスター版ではこの効果が明確かつ分かりやすくなっていて、プレイヤーにとって親切な仕様へと進化している印象です。
アイテム欄の制限緩和
SFC版のプレイヤーを悩ませていたカツカツのアイテム欄(インベントリ)についても、見直しが行われました。これまでは少しダンジョンを巡るだけですぐに手持ちがいっぱいになってしまい、非常に不便な思いをしたというプレイヤーも多いはずです。
今作ではこの不満点がきちんと修正されており、デブチョコボにアイテムを預ける必要性をほとんど感じないほど快適にアイテムを持ち運べるようになっています。いよいよでぶチョコボもお役御免でしょうか。チョコボ臭いぞ、というセリフも最近聞いていませんね。
隠し通路の視認性向上
ファイナルファンタジー4では、文字通り完全に隠れている隠し通路が多く、そこから重要なアイテムが見つかるゲームデザインになっていました。そのため、場所を知っているかどうかでマップの探索率が大きく左右されていましたが、ピクセルリマスター版では、すべてではないものの、主に壁内の隠し通路が以前よりも分かりやすく表示されるようになり、探索の大きな救済措置となっています。
それでも最初の一歩を踏み出さないと隠し通路部分は表示されないため、隠し通路の「隠し」要素はきちんと残っており、うまい調整だったと思います。
離脱キャラクターの装備品
SFC版では、ストーリーの進行上キャラクターがパーティから離脱する際、事前に装備を外しておかないと、最悪の場合そのまま装備ごと消滅して戻ってこないという厳しい仕様がありました。とくに、正気に戻ったりとしょっちゅう加入と離脱を繰り返す彼には泣かされた人も多いはずです。
数多くのリメイクを経てきた本作ですが、ピクセルリマスター版でもこの問題はバッチリと修正されています。
追加ダンジョンとコンテンツの有無
ゲームボーイアドバンス(GBA)版などで追加された豊富な追加コンテンツについてですが、ピクセルリマスター版のモンスター図鑑に登録されているモンスター数を比較すると、アドバンス版の方が圧倒的に多くなっています。
今後アップデートは無いでしょうから、ピクセルリマスター版にはアドバンス版のような追加ダンジョンや追加コンテンツは含まれない可能性が極めて高いと考えられます。
キャラクター固有アビリティの変更点
カインの「ジャンプ」
竜騎士カインの「ジャンプ」は、体感として使いやすさが大きく向上しています。以前は飛び上がるまでに時間がかかり、いざ攻撃するとなったらすぐに降りてくるイメージでしたが、今作ではコマンド入力後すぐに飛び上がり、しっかりと空中に滞空してから落下してくるメリハリのある挙動になりました。
ただし、カインのジャンプの見どころであった「画面後方から斜めに降りてくる格好良さ」が失われており、飛び立つ際の効果音(SE)も少し寂しいものになっているため、演出面ではSFC版の方が優れていたと感じる部分もあります。
ローザの「いのり」
本リメイクで大きな驚きを伴う超強化を遂げたのが、ローザの「いのり」です。SFC版では確率でパーティ全体をわずかに回復する程度の実用性に乏しいアビリティでした。しかしピクセルリマスター版の「いのり」は、ケアルラやケアルダに近いレベルまで回復量が大幅に底上げされています。
相変わらず祈りが天に届かず失敗することもありますが、戦闘中に使い続ければMPを消費しない優秀な回復ソースとして機能します。これにより、HPを削って戦うセシルの「あんこく」との相性も抜群になり、緊急時以外は「いのり」に専念させるだけで白魔道士としての役割を十分に全うできるようになりました。
パロムの「つよがる」
SFC版では固有アビリティの中で最強クラスを誇っていたパロムの「つよがる」ですが、今作では大幅に弱体化されています。SFC版の仕様は、一度使うだけで知性が16も上昇し、さらに重ねがけが可能だったため、数回つよがればボスすら一撃で消し去るほどの火力を出せました。
ピクセルリマスター版でも一応重ねがけ自体は可能なようですが、知性の上昇値そのものが低く抑えられている模様で、一回使えば十分、あるいは使う価値をあまり感じられないアビリティになってしまいました。
ポロムの「うそなき」
ポロムの「うそなき」は、SFC版では敵の隠しパラメータを下げるという効果を持っていました。しかし、その隠しパラメータ自体がエッジの「ぬすむ」の成功率にしか影響しなかったため、パロムとポロムがパーティにいる時期には全く意味がなく、完全に死にアビリティと化していました。ピクセルリマスター版でも効果の詳細は依然として分かりにくく、味方全体に効果が出ているようなエフェクトでありながら、メッセージは単体対象になっているなど、謎の多い仕様のままとなっています。効果はいったい…
パロムとポロムの「ふたりがけ」
パロムとポロムが力を合わせて放つ「ふたりがけ」は、今作において非常に使いやすく調整されています。SFC版では、パロムを単体で「つよがる」させてから魔法を連発した方が強かったため影が薄い技でした。
しかし、ピクセルリマスター版ではパロム単体の弱体化も相まって、相対的に価値が上がっています。さらにSFC版とは異なり、味方の「リフレク」の魔法反射効果を貫通して敵にダメージを与えられる仕様になっているため、特定のボス戦などでも大活躍させることができます。もう少し加入している期間が長かったらもっと楽しめるのになと残念な気持ちです。
エッジの「ぬすむ」
ゲーム内の最重要ポイントの一つでもある、エッジの「ぬすむ」と、それに関連する「アラーム」の無限盗みについてです。ファイナルファンタジー4において最強の召喚獣や強力な装備を入手するためには、特定の敵を確実に呼び出す「アラーム」を量産することが必要不可欠であり、非常に重要度の高い要素と言えます。SFC版では、同じ敵から何度でもアイテムを盗むことができる仕様がプレイヤーにとって最大の救いとなっていました。
ピクセルリマスター版でもSFC版と同様に1体の敵から「無限に盗める」仕様がしっかりと引き継がれていることが確認されています。
この無限盗みの仕様に、ピクセルリマスター版の新機能である「オートモード」と、先述した超強化アビリティの「いのり」を組み合わせることで、凄まじい効率化が可能になりました。オートモードを放置しておくだけで、エッジが盗み続け、ローザがパーティをノーコストで回復し続けるという、完全に自動化された無限盗みループが完成します。
なおピクセルリマスター版ではアラームを購入(月のハミングウェイの住処)できるようになりました。お金に余裕があれば買ったほうが早いかもしれません。

