ウイングスパンの遊び方と攻略法、あいまいな要素について

今回はウイングスパンというボードゲームについて、アレコレ書いてみます。

私自身、幼いころに人生ゲームなどを遊んで以来しばらくこういったボードゲームは遊んできませんでしたが、やはり実物のゲームはモニター越しでは味わえない面白さがありますよね。

鳥が好きな人には特にたまらないゲームですので、ぜひ遊んでみてください。

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ゲームの概要

詳しい遊び方については、すでに良いサイトや動画がありますので、そちらに譲ることとします。私が見た中ではこちらの動画が丁寧で分かりやすかったです。お声が優しくていい感じ。

あとは遊びながら細かいルールを確認していけばよいと思います。

なお、初見では流れとルールを覚えるので精いっぱいなので、あまり楽しめないと思います。友達が集まったからワイワイやろうという感じのゲームではなく、熟練者同士がモクモクと高得点を狙うタイプのゲームと言えます。

説明書も付属しますが英語を直訳したようなわかりづらい文章なので、動画を参考にしたほうが早いでしょう。

ざっくり言うと得点を競うゲームで、得点の方法は複数あります。エンジンビルドと呼ばれるタイプのボードゲームで、コンボ(連鎖)を決めていく爽快感を味わえます。思い通りに組み立てることができたときはテンションが上がりますよ。写真に納めたくなるほどです。

注意したい曖昧な要素について

ピンクのカードの扱い

ピンクのカードの起動については、説明書の読み方だと以下の二通りに読み取ることができてしまいます。

  • カードを置いてから、次の手番までに一度
  • 毎回自分の手番が終わってから、次の手番が来るまでに一度

これはおそらく後者が正解です。手番が来るたびに権利が発生し、ゲームの終了までずっと続くということです。

もしプレイ時のみだとしたらプレイ時と書かれるはずですし、それだとあまりにもこのカードの意味がないからです。

相手が卵を産んだ時に、自分が置いているカードの特定の巣に卵を産めたりします。自分も相手も忘れがちなので、このカードを置いた時にはすべてのプレイヤーに周知するようにしましょう。それでも忘れがちなんですが。

星マークの巣

星マークの巣はワイルド、要するにすべてに該当するという扱いになります。

ボーナスカードにはその旨が書かれていますが、ラウンド終了時目的にもそれは適用されます。

上の画像のように、ラウンド終了時ボーナスが樹洞にある卵の数の場合は、樹洞マークと星マークに置かれている卵の総数が多い人が一位、ということになります。

ラウンド終了時ボーナスの計算方法

同じ順位が複数人いても構いませんが、その人数分だけ後の順位を空白にし、得点はそれらを足したものを割り端数切捨てをするというやや面倒なルールとなっています。

例:上の画像の4ラウンド目、黄色と青が同得点で二人とも1位になり、2位が空白となります。それぞれ得点は、1位と2位を足し(11点)それを人数で割り端数を切り捨てたものとなります。ここではそれぞれ5点を獲得することになります。赤の3位、3点はそのままです。

また、条件を全く満たしていない場合は、ゼロ点となります。二人プレーでも2位ではなくゼロ点扱いです。

カードの補充タイミング

カードの獲得はトレイに置かれた3枚、もしくは山から引く、その二通りがあり、特に指示がない場合はどちらからでも構いません。ほしいカードが出ているときはトレイから、ほしいカードがない場合には山から引くことになります。

上の画像のようにトレイに出されたカードが減った場合、すぐに山から補充できません。カードの補充はその手番が終わったときに行えます。例えば、2枚カードを引くことができるとして、1枚引いて上の画像の状態になったとき、そのままの状態でトレイもしくは山からもう一枚を引かなくてはいけません。

また、ラウンドが終了したときにトレイのカードをすべて入れ替えることもお忘れなく。

餌箱ダイスを振るタイミング

ダイスの振り直しができるのは、以下のタイミングとなります。

  • ダイスが一つもなくなった時
  • アクションや能力で餌を獲得するときに、出目がすべて同じであるとき

餌を獲得してダイスがゼロ(すべて外側)になった場合はどうすればよいのか。その場ですぐに振りなおすのか、それとも次に誰かが餌の獲得をする時まで待つのか、これはプレイを始める前に相手と確認しておいたほうがいいでしょう。

なぜなら、一部の猛禽類に「外にあるダイスを振って餌を獲得するというアクション」もあるので、すぐに振りなおさない場合は5個で振ることができ、すぐに振りなおした場合は外にあるダイスがゼロになってしまうため、このアクションは起動できなくなってしまうからです。

そう考えると、後者、要するにゼロになっても次に誰かが餌の獲得をするまではそのままにしておくべきなのかもしれません。この辺は説明書を読んでもあいまいなのでローカルルールを決めたほうがよさそうです。

基本的な戦略

手番を無駄にしない

1回の手番を無駄にしないよう、最大限に生かせるように常に考える必要があります。

得られる餌、卵、カードは右に行くにつれて多くなるので、なるべく早い段階でカードを置いていって一度にたくさん得られるようにしておきたいところです。

そして、カードを餌に換える、卵をカードに換えるということも積極的に行ったほうがいいでしょう。例えば、カードを獲得する前に卵を産んでおいて、カードを獲得するときに卵をカードに換えれば、一度の手番で2枚のカードを獲得することができます。

得点のことを考えるより、一度一度の手番の効果を最大化させていくと考えたほうが、結果的に高得点を得られる仕組みになっています。

今何をするべきか、2手3手先を読みながらゲームを進めていきましょう。

高得点には運、勝敗には戦略

100点を超えるような高得点を目指すには、良いカードが必要になります。カードに関しては運なのでどうすることもできません。良いカードとは具体的に、餌を獲得できるカラスの仲間とカードを獲得できる一部の水鳥です。

良いカードを適切なタイミングで獲得することができれば高得点を狙うことができます。

一方、もしカードが悪くても対戦相手に勝つことはできます。唯一相手との差が生まれる要素として、ラウンド終了時ボーナスの要素があります。多少合計点を下げてでも各ラウンドで一位を取っておくと、確実に相手との差は広がっていきます。

例:全部一位を取ると22点、全部2位だと10点。ここで12点の差が生まれます。

最初からすべてのラウンドの条件を確認しておいて、すべてに有効となるように作戦を立てて実行に移していきます。特に最終ラウンドのボーナス点は大きいので確実に取れるように、最初のラウンドから意識して準備しておきましょう。

餌とカードの補給体制を早期に作る

カラスの仲間は卵を餌に換えることができるので、草原に配置すると非常に強力で、2個餌をもらえるワタリガラスやシロエリガラスを草原に配置できれば、もはや森林で餌を獲得する必要はなくなります。

カイツブリやオシドリの仲間は、カードを2枚獲得し1枚を捨てるというものです。これを早い段階で湿原に置くことができれば、毎回複数枚のカードを一回の手番で獲得することができるので、カードの供給に困ることはなくなります。

そしてアメリカズグロカモメなども強力です。これは卵1個とカード2枚を交換することができるので、草原に置くことができるととても楽になります。

これら強力なカードを序盤に配置できると、草原を起動するだけで、餌もカードも、そしてもちろん卵も獲得できるので無敵状態となります。最後のラウンドはひたすら卵を産ませる状態を作ることができます。

卵と差し込み

初心者のうちは、鳥カードの得点にどうしても意識が向くと思います。わかりやすいですからね。置けばそのまま得点となるので。

しかし、少しゲームに慣れてくると、鳥カード自体の得点はあまり重要でないことがわかってくるはずです。高得点のカードは起動時オプションが無いかショボイものが多く、またカードを置くためにたくさんの餌を必要としてしまいます。

一方、0点の鳥カードでも、起動時オプションが強力だったり、卵をたくさん産めたりするので、使い方によっては、8点のカードよりも最終的にたくさんのポイントを獲得できたりもします。

起動するたびに卵を産める、カードを差し込むことができる、またこの2つを同時に行うタイプもあります。理想的な配置ができると、最終ラウンドはひたすら草原で卵を産みカードを差し込むことができます。こうなると、一回の手番で8点くらいを獲得することができます。卵30個、差し込み20枚とかも可能です。もうこれだけで50点ということです。

ということで、高得点を狙うためには、草原でたくさん卵を産む、もしくはカードを差し込める体制を作っておきましょう。

ボーナスカード

ボーナスカードはあまり得点につながりません。もし狙えそうなら狙うというくらいで構わないと思います。

だけど、もし鳥カードの運が最悪でひどい展開になってしまった場合は、ボーナスカードに賭けてみてもいいでしょう。

正攻法では負けそうだなと思ったら、プレイ時にボーナスカードを獲得できる鳥カードを置いていくというのも手でしょう。これらのカードは置くときのコストが低めに設定されているので、ひたすらボーナスカードを引いて追加得点を狙うということも、ときには必要な戦略となります。

ウイングスパンの魅力

野鳥の生態が学べる

カードに記載されている鳥の情報はある程度実際の生態に即しています。

産む卵の数も実際のものに近いし(あくまで相対的にではあるが)、その起動時のアクションも実際の生態を参考に作られています。

例えば、各カラスのカードは他の鳥の卵を餌に換えることができるというもので、これはカラスがしばしばほかの鳥のヒナや卵を強奪することを表しているのでしょう。

カラの仲間は貯食をするなど、意識していなくても自然と鳥に関する知識が身につくはずです。また、カードの下部には分布図と生態に関する一言が記載されているので、相手が考えている時間に読んでいると新しい発見があったりします。

日本の野鳥版が発売されたらうれしいのですが、その予定はないのだろうか。身近な野鳥でプレイ出来たらもっと面白いでしょうね。と言っても、将来北米へ探鳥旅行へ行ってみたいという気持ちにはさせてくれます。

程よく頭を使う

このゲームは運の要素も強いのですが、運だけでは勝つことはできません。

運が良いときにも行動の順番を間違えてしまうと得点が伸びなかったり、運が悪い時でも方針を変えるなどしてある程度得点を伸ばすことが可能になります。

一回の手番を無駄にしないように、常に最大の効果が得られるように行動する必要があります。それはゲームを繰り返し遊ぶと少しずつ理解できるでしょう。

絵が美しい

その辺の写真や図鑑よりも詳細で美しい絵が描かれているので、見るたびにうっとりと眺めてしまうほどです。

たとえ得点が思うように伸びなかったとしても、好きな鳥を置くだけで満足できるほどに一枚一枚が完成度の高いカードになっています。

素材も丈夫にできているので、長く遊ぶことができそうです。

拡張版が豊富

基本的なセットのほかに拡張版が複数発売されています。それだけでは遊べないものもあるのでご購入の際はご注意ください。

鳥の種類が変更になっていたり、ゲームバランスが改善されていたりするみたいです。オリジナルのものに慣れてきたら購入してみてもよいかもしれません。

たとえ飽きてしまっても、さらに長く遊ぶことができますね。

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