台湾自転車縦走の際、二区間で台鉄の普通電車で輪行をしました。
コツがわかれば簡単かつ快適に自転車のまま電車に乗ることができるので利用しない手はないでしょう。鉄オタのサイクリストの方にお勧めの台湾旅行の方法です。ぜひ挑戦してみてください。
台北~新竹間
台北駅は大きく複雑で、初めてかつ事前に情報を仕入れていない人には利用が難しいと思います。駅の周囲はもちろん内部にまでホームレスやら、博徒っぽいギラギラした目をしたおじさんやら、その端正な見た目とは裏腹に、実態はなかなかカオスな場所で往時の台北の姿を垣間見ることができる、貴重な場所かもしれません。
一階のメインホールのインフォメーションには日本語ができるおばちゃんがいます。私は分解梱包した自転車を担ぎ、暑さでやられてかなり疲弊していたので、自分でいろいろ調べて乗車する気力もなく、迷わずインフォメーションに直行しました。
チケットの発券をしてくれ、どこでどう乗ればよいかわからないと伝えたところ、荷物が大きかったこともあって、本来からだが不自由な人が使うホーム直通のエレベータにのせていただき、改札を通過せず、地下二階にあるホームに降り立ちました。
どの車両がすいているのか、スペースがあるのか、いろいろ考えますが、国が変われど先頭か最後尾が乗せやすいだろうと、それっぽいところで電車が入ってくるのを待ちましたが、惜しくも先頭から2両目。
快速も特急もたくさんある路線なので、日曜の昼過ぎの普通電車にはそんなに人は乗っていないだろうと油断をしていたら、なかなかの込み具合。大きな荷物を抱えてそこまで奥まで入っていくこともできず、出入り口付近でモジモジしていたら多くの人の邪魔になってしまいました。
電車がすいてきたのは桃園を過ぎてから。やっと座ることができて、自転車を置くポジションも確保し、ゆっくりローカル線の旅を満喫することができました。
新竹についてから隣の先頭車両を確認しましたが、やはり自転車専用スペースがありました。
ですが、この自転車専用スペースは、分解梱包せずに乗せる人が使用する「ラック」みたいな構造になっているので、今回の私のように分解梱包しているケースだと、やはりどの車両に乗ってもよい、ということになりそうです。
この後、南部でもう一度輪行したときは、自転車用のチケットも購入し、指定の場所にのせました。
新左営(高雄)~枋寮間
前回の失敗?というか分かったことを踏まえて、今回は分解梱包せずにそのまま電車に自転車を乗せてみることにしました。
日本だと駅構内に自転車をそのまま入れるのは、あまり見ない光景、ていうか禁止のところがほとんどなので、最初はちょっとドキドキしますが、誰に咎められることもなく、ごく当たり前に自転車を押し(もちろん乗ってはいけません)、自動改札でチケットを買おうと試みますが、料金ではなく目的地を指定して発券するタイプの自動券売機には私の目的地の表記がなく、わけがわからなかったので、ここでもインフォメーションの助けを借りました。
新左営駅のインフォメーションの方は英語は通じました。念のため紙に希望を書いて伝え、窓口で発券をしていただきました。自動発券機でもサイクルトレインという表記があるので、発券可能だと思いますが、やはり窓口だと確実です。
自動改札機に2枚のチケットを重ねて挿入し、ホームまではエレベーターで降りました。自転車をそのまま利用できると謳っている都合だと思いますが、多くの駅で広いエレベーターが設置されています。
今回は先頭車両という指示があったので、先頭車両にのせようとしましたが、自転車専用のラックもスペースもなく、あるのはスーツケースなどの荷物を置くスペースのみ。
近くにいたおばちゃんが親切に教えてくれて、荷物置きにかかっていたゴム紐で自転車を固定し、乗務員の出入りの邪魔にならないように壁に寄せて、一応場所は確保できた感じ。
こちらも新左営を出てしばらくは地下を走行するので景色を見ることができません。高雄駅ではまたたくさんの人が乗ってくるのかと思いきや、こちらは終点の枋寮までガラガラでした。
チケット代は人間が 102TWD、自転車がその半額の 51TWD でした。計 153TWD。当時のレートで日本円に換算すると、744円。乗車時間は一時間半。距離は70キロくらい。日本だと2000円くらいはかかるだろうか。
台湾は公共交通と食事、郵便などの運輸はとても安価な印象です。詳細はよくわかりませんが旅行者にはとてもありがたい。台湾鉄道は国営というのも理由の一つでしょう。
まとめ:台湾では電車も利用しよう
自転車輪行に関しては日本よりも全然進んでいて、快適に電車を利用できます。疲れていなくても電車から見る景色や通勤通学の日常風景を見ることができるので、ぜひ電車も利用していただきたいと思います。最後に簡単にまとめておきます。
チケットの購入
自動券売機、もしくは窓口に並び購入する。自転車を梱包していれば大人一人分、自転車をそのまま電車に乗せる場合は大人の半額分が自転車分として請求されチケットは2枚となる。
台鉄のサイトで乗る便を検索し、自転車マークがついていればそのまま乗せることが可能。普通電車以外に一部特急に乗せられる。
分解して普通の荷物にするか、そのまま乗せるか。料金も安いので後者をお勧めします。
乗り方
駅構内は自転車を乗り入れてOK。改札も広いところを押して進み、エレベーターを使ってホームまで降りることができる。分解梱包している場合はどこに乗ってもいいのだが、先頭か最後尾にのせることをお勧めします。
分解梱包していない場合は、チケットに指定された車両にのせます。通常は先頭か最後尾になります。ホームで待つときにどこが先頭(or最後尾)か迷うと思います。駅員か親切そうな人に聞いて、その位置で電車を待つようにしましょう。
台湾鉄道はホームとの段差が大きいので、自転車を乗せるときは足元に注意してください。
また、可能であれば始発、終点で乗り降りをし、確実にエレベーターがある大きな駅を利用すると楽をできます。