タイトルの通り、今回の釣行ではついにヒグマに遭遇してしまいました。その状況を思い出しながら書いてみようと思います。
ちなみにこの日の釣果はさんざん。一度腰が引けてしまうと釣りになりません。しばらく自宅待機になりそうです。
夕張川支流の釣りでヒグマに遭遇
夕張川支流へのアクセス
夕張紅葉山付近には、規模も水量もいい感じの支流がたくさんあります。
札幌からだと高速道路で約一時間、下道でも274号線を通って1時間半程度と市内からのアクセスは良好です。
於兎牛沢川でヒグマに遭遇
夕張川にかかる橋をわたると砂利道だけど整備された道が上流に向かって伸びています。途中何台か釣り人らしき車がとまっていました。私は初めて入りましたが、知っている人は多い川なんでしょう。
その道に沿ってこの川は流れていて、しばらく進むと3つの川に分岐します。どれが本流か、どの地図を見てもよくわからないのですが、最初の支流に入ってみました。
けもの道がついていて、人が入っている形跡が所々で見受けられました。そして硫黄のにおいもしています。パイプもあったので温泉が出ているのでしょうか。
それでも魚はちゃんと住んでいて、ポイントにはニジマスがしっかりついていました。
あまりにもきれいな沢でうっとりしつつ、ついつい深追いしてしまったのが良くなかったようです。
音を頻繁に出しながら歩いていたのですが、上流の左斜面にこげ茶色の動く生き物がいました。あまりにも普通にいて、まったく違和感のない光景でした。こちらが先に気がついて、すぐに向こうもこちらの存在に気がつき、にらみ合いになりました。
相手の目と顔がはっきりとわかったので距離は30~50メートルくらいだったと思います。大きさは中型、そこまで大きくなく若い印象でした。
立ち上がることもなく、地面で何かを食べ、こちらを見て、という行動を繰り返していました。私はすぐに、ロッドを短くしてライン手に巻きつけ、腰に付けていたクマスプレーの安全装置を解除し手に持ちました。
そして、目を合わせたまま少しずつ来た道を引き返しました。幸いにも浅くて平坦な川だったので、転んだりせずにそのまま後ずさるような動きができました。
少しずつ、なるべく静かに距離を開けていき、視界から完全に消えても、頻繁に振り返りながら下流に向かって進みました。遭遇事例で、一定の距離をあけて追跡してくるというのも見ていたので、あくまでゆっくりと振り返りながら進みました。
車の近くまで来てやっと一息ついて冷静に今回遭遇した状況を考えてみました。
- ヒグマは上流の左斜面で何かを食べていた
- 私との距離は30~50メートル程度
- 川から10メートルくらい上の緩斜面
- 足元は笹薮ではなく、シダ植物など背の低い草が生えている見通しの良いところ
- うなったり立ち上がったりといったことはなく、じっとこちらを見つめていた
普段やっている遭遇しないための対処法として、頻繁な音出しはしていますが、いざ出会ってしまい目が合うと、どうすべきか一瞬迷いました。
出会ってしまって目が合った状態だと、今更おおきな声を出したり手をたたいたりホイッスルを吹いても相手を刺激するだけだろうから、そう考えて静かに後退するという選択をしました。
目をそらさずにじっとしているべき、という考えもあるので、そこは正直迷いました。でも相手に動く気配がなかったので、私の方から動きました。動き出すという決断も勇気が必要でした。
にらみ合いをしているときの恐怖は久々に感じたものでした。15年ほど前に死ぬかと思った出来事がありましたが、それ以来の恐怖感…
それにしても相手の動きが全く読めないというのは本当に恐ろしいものです。いきなりこちらに向かって走ってくるかもしれないし、追跡されるかもしれない。いろいろなパターンを想像できたのは本をたくさん読んで知識を入れておいたからだと思います。
幸いにも今回は、距離もあり視界もよく危険な遭遇ではなかったので、いい経験になったかなと思います。遭遇の仕方としてはかなり安全なほうでしょう。
上流を向いたときに視界に入る位置にいてくれたので、お互いに早く気がつくことができたと思います。もう少し斜面の上にいたら、こちらも気がつかずに接近してしまっていた可能性があります。
普段は近くのささやぶの付近をどうしても警戒してしまいがちですが、遠くの斜面もぐるっと見たほうがいいんだなと思いました。いろいろ勉強になりました。あのヒグマには感謝です。
チョボツナイ川
つぎに入ったのはチョボツナイ川です。下流の橋の上から水量と濁りを確認してから、林道を奥に進みました。
途中で鎖のゲートがあって立ち入り禁止になっています。川伝いに遡行する分には問題ないでしょう。ゲート付近に入林届の提出ボックスがあるので、万が一の時のために入渓する方は書くとよいと思います。
ゲート付近に堰堤があったので毛ばりを流してみましたがまったく反応はありません。堰堤上も30分くらい歩いてみましたが、こちらも全く反応がありませんでした。
魚がいないとは思えないので、やはりまだ増水の影響があるのでしょうか。お盆過ぎの大雨の影響は思った以上に長く続いています。
クオーベツ川
この川へのアクセスは徒歩になると思います。途中の林道が三方向に分かれているところでゲートが閉まっているためです。
川に架かる橋まで20分くらいです。この日はかなり濁っていたので釣りになりませんでした。普段はどうなんだろうか。
奥の貯水池と上流が気になりますが、こちらもヒグマが怖いので一人で入らないほうがいいと思います。
草木舞沢川
274号線から林道に入って少し行くと橋があるのでそこから川に降りることができます。当日はお休みでしたが、伐採作業中で林道への立ち入りは禁止されていました。
いざ川について、治山事業や伐採作業をやっているとちょっとがっかりはしますが、森林は放っておくと荒れ放題になるので、北海道の森はもう少し手を入れたほうがいいんじゃないかと個人的に思っています。お金がないんでしょうが…
川の規模はちょうどよくて、ところどころでニジマスのアタリもありましたが、大きいのはいない印象です。雰囲気もあまりよくはありません。かなり人が入っている印象です。
そして、先ほどのヒグマのショックで深入りするのがこわくなってしまったので、早めに引き上げてきました。完全に弱気になってしまった…ヒグマに出会う前の自分が思い出せません。
築別川
夕張川の支流で栗山町の酪農畑作エリアを流れる川です。浸食の影響なのか谷底を流れているので、入渓地点は限られます。上流に続く林道はゲートが閉じているので入ることはできませんでした。
下流の橋から川に降りることができました。エゾシカの侵入を防ぐために金網が張ってありますが、川に架かる部分は切られています。釣り人の仕業なんでしょうか。よくありませんね。
多分超マイナー河川なんですが、意外にも足跡がついていて人が入っている様子。ニジマスがいることは確認できましたが、大型の魚影は確認できませんでした。おすすめできる川ではなかったです。
まとめ:夕張はヒグマが多いというのは本当でした
帰宅してから改めてグーグルマップを見ていて、ヒグマと遭遇したところは相当山奥だったなと気がつきました。
完全にヒグマの生息圏。裏手は街や道路に分断されることなく日高方面の山とつながっているのでそりゃいるはずです。
今回は幸いにも安全な遭遇になり無事に帰ってくることができましたが、しばらく体に染みついてしまった恐怖心は抜けそうもないので、今後は安全な本流でゆっくり釣りをしようかなと思っています。
それにしても、今回探った川はいずれも不調に終わりました。もう少し奥のほうまで入っていかないと大きな魚には出会えませんね。でも、恐怖心でそれもしばらくはできそうもありません。橋の周辺で釣りをしている限り釣果には恵まれませんが。
※北海道での釣りがご心配な方はこちらの記事も参考にしてみてください。→【規制とマナー2023】北海道で川釣りをする際に気をつけてほしいこと
この日の記録
釣ったさかな
ニジマス 3匹(20~25センチ)
使った毛ばり
ドライフライ#12
確認した野鳥
- キジバト
- アオバト
- アオジ
- トビ
- ハシブトガラス
- カワガラス
- キセキレイ
- モズ
- ヒヨドリ
- ムクドリ